海外生活全般

ヨーロッパの5か国でフリーランス向けのビザを取得する方法を調べた

欧州内には、フリーランサー向けのビザを発行している国が存在するのをご存知でしたか。お恥ずかしながら私は最近まで知りませんでした。

以前ちょっとだけ話したことがあるんですが、私はフリーランスとして働くことに興味がありました。理由については気が向いたら書こうかと(今年は転職が目標なので、書くとしたらその後になりますが)。

で、問題はビザをどうするか。現地にある企業に就職すれば勤め先からビザを出してもらえるかもしれませんが、フリーランス業をするなら自分で用意しなければなりません。どこの国も永住権を取るには時間がかかるだろうし、ブルーカードは自営業者は対象外です。

たまにYoutubeで『デジタルノマド』と名乗り、旅をしながら働いているフリーランサーを見ます。どうやら彼らは観光用のビザやワーホリビザで様々な国に滞在し、ラップトップで仕事をしているようです。

…が、それって私が理想としている生活とは少し違うんですよ。有効期間がせいぜい数か月しかない観光ビザでせわしなく移動を繰り替えすようでは、仕事に集中できないんじゃないかな、と私は思っています。彼らからしたら贅沢に聞こえるかもしれませんが、私はPCモニターとそれなりに大きい机が無いと開発の仕事をする気になれません。スタバへ行ってラップトップでコードを書くなら、モニターを買って自分のアパートで働いた方がいいなぁ、と。それに、(国によりけりですが)ワーホリビザは30代以上の人間は取得できない場合がほとんどです。

「本気で独立を目指してるんなら、日本に帰った方がいいのでは…」

と思っていた矢先、ヨーロッパにはフリーランスとして滞在したい人向けにビザを発行している国が存在したのです。で、今日は以下の国で取れるフリーランス向けのビザの概要について、調べたことをまとめてみました。

対象国となった国は…

  • ドイツ
  • オランダ
  • オーストリア
  • チェコ
  • エストニア

これらの国々を選んだ理由は…

  1. 既に行った事があり、『ここだったら住んでもいいかも』と思えるくらいには印象が良かった
  2. ソフトウェアエンジニアの仕事が豊富にある。だからオフラインでもクライアントを見つけられる可能性が比較的高い
  3. 英語が通じやすい。だから現地語を知らなくてもとりあえず(アパートを見つけたり、銀行口座を開いたりといった)生活の準備を自分でできる

の、幾つかに該当するからです(チェコの場合は『英語が通じやすい』と感じたのはプラハだけでしたが…)

フリーランス向けのビザを出している国は他にも存在しますが、それらの国々に個人的にそれほど関心がなかったので調べませんでした。スウェーデンにはITの仕事が多くあり、英語も通じやすいと聞いたことがあったので調べてみたのですが、残念ながらフリーランス向けのビザは無いようでした。

注:今日の話で紹介するのは

  1. ビザの概要
  2. 費用
  3. 期限
  4. 申請の大まかな流れ

の4つのみです。申請する場所の住所やら申請用紙の取得方法といった細かい話はしてません。

以下、本題。

ドイツ

ドイツにはまだ行った事がありません。が、EUの経済的な柱でITの仕事も多く存在するドイツなら、仕事のチャンスを見つけやすいのでは…と思ったので調べてみました。実際、LinkedInでもフリーランス向けの案件が見つかりした()。

で、ドイツでのフリーランスのビザの情報を探したのですが、ドイツの政府から出された情報は日本語・英語では見つかりませんでした。その代わり、ベルリンの官庁(?)のウェブサイトで”フリーランス向けの居住許可”というページが見つかりましたので、主にここで手に入った情報をまとめたいと思います(リンクはこちら)。

もしベルリン以外の街に住みたいようでしたら、こちらのサイトが参考になります(ただし公的な機関によるウェブサイトではない点に注意してください)。

概要

ベルリンにおけるフリーランス向けの居住許可を得るには以下の要件を満たす必要があります。

  1. フリーランスとしての雇用を得る(学術・芸術・文学・教育、その他”Income Tax Act”に則った職業であること。芸術家・ライター・外国語教師・医者・エンジニア・会計士・翻訳家・建築家などが含まれているようです)
  2. 45歳以上の場合、十分な年金計画がある(注:日本人の場合は不要のようです)
  3. 主な住居がベルリン
  4. 本人が申請する

期限

期限については明記されていませんでした。

費用

100ユーロ

申請の流れ

以下の書類をBerlin Immigration Officeまで持参・提出するのだそうです。審査の期間は5~6週間ほど。

  1. パスポート
  2. 顔写真
  3. 申請用紙(こちらからダウンロード)
  4. 経済的な計画
  5. 収入の予想
  6. 芸術家・言語教師の場合:収入の証明
  7. 報酬ベースで働くことを希望する場合:協力の意向書(Letter of intent for the collaborationを訳してみたんですが、あってるのかなこれ…)
  8. 報酬の契約書
  9. 履歴書
  10. 資格・認可等が必要な仕事をする場合:その仕事をする資格があることを証明するもの
  11. 健康保険
  12. 賃貸契約書、あるいは家のオーナーであることの証明
  13. 住居がベルリンであることの証明

オランダ

オランダの場合、オランダ政府がフリーランスとして働く為の要件をウェブサイト上で英語で説明してくれています。現地語がわからなくても取りあえず英語さえ理解できれば自力で情報収集できるのは、個人的にはすごくありがたいです。以下の情報の参照元は全てこちらから

英語が通じやすくてITの仕事の数が豊富なオランダは、フリーランスに興味があるエンジニアにとって良い選択肢なのではという気がします。デメリットを挙げるなら、滞在の為に必要な初期投資が比較的大き目なことでしょうか。

概要

日本国籍の保持者は、以下の要件に該当する場合フリーランス向けの居住許可を取得できます(”ビザ”ではなく、”居住許可”と呼ばれていないようです)。申請要件は…

  • オランダ到着後、結核を持っているかのテストを行う(注意:日本国籍保持者は必要無いようです)
  • 以下のどちらかが該当する
    • 日本とオランダとの間でビジネスを行う
    • オランダ国内で会社を始め、その会社に最低でも4,500ユーロ(注意:会社の構造によって金額は変動)を投資し、liberal profession(自由業)を行う。公的な義務や医療及び公安に関する職業はこれに含まれない。

期限

期限については政府のサイトに明記されていません。

費用

1379ユーロ(高いですね…)

申請の流れ

  1. オランダにあるINDという所で申請用紙を提出+申請費用を払う(申請用紙はこちらのページの一番下から)
  2. 申請の審査が始まる
  3. 90日以内に結果が知らされる

オーストリア

オーストリア(というかウィーン)には2回行った事があります。街並みがきれいで、英語も通じやすく、交通の便も良く、ヨーロッパに来る前に候補地の一つに入れていた街でした。オランダと同様、政府がフリーランス向けのビザの情報を英語で公開してくれています。以下の情報はその政府のウェブサイトから拾ったものです(リンクはこちら)。

で、オーストリアのフリーランスビザの取得方法について調べてみた結果…ちょっと他の国よりも申請のハードルが高めなことがわかりました。

概要

オーストリアにおけるフリーランスとして働く為にはRed-White-Red Cardと呼ばれるカードを取得しなければならないとのこと。

取得要件は以下のどれか一つ。

  • あなたが行う予定の仕事は、最低でも合計€ 100.000のオーストリアへの投資資本を含む
  • あなたが行う予定の仕事がオーストリア国内で新しい雇用を生むもの、それか既存の雇用を保護するものである
  • あなたの企業(establishment)が新しい技術のノウハウの伝達を含む
  • あなたのビジネスが地域全体にとって重大な意義のあるもの

正直…簡単に取れるビザには思えません。1つ目は庶民にはハードルが高く、3つ目と4つ目は定義が曖昧だなぁと。2つ目の要件は他の誰かを雇うことが証明できれば満たせるかもしれませんが、一人で働きたい人にとっては実質不可能ですね。

期限

24か月

費用

  • 申請: € 120
  • 許可: € 20
  • ビザの個人化にかかる費用 (指紋、写真のスキャン、署名): € 20

合計:€ 140

申請の流れ

自国・あるいは現在住んでいる国にあるオーストリア大使館(あるいは領事館)を自分で訪問し、そこから申請を行う(申請場所の情報はこちら)。

チェコ

チェコもヨーロッパの中で観光地として個人的に好きな国で、私はこれまで3回行った事があります。チェコでフリーランスとして働くなら…

  1. 物価が西側諸国より低い。なので、西側諸国を相手に外貨を稼げるなら豊かになれるチャンスがあり、移住に必要な初期費用もそれほどかからない
  2. 首都のプラハからはドイツやオーストリアといった国へ行きやすく、欧州各国への空の便も豊富に存在する

といったメリットがあるので、調べてみました。…が、日本語・英語だと情報があまり手に入らず、チェコ語が分からない人が自力でビザの取得をするのは少しハードルが高そうです。

概要

チェコにおけるフリーランス向けのビザはŽivnostenský List、通称Živnoと呼ばれているそうです。

チェコに移住された方によるこちらのブログによると、どうやらŽivnoとは別にチェコ大使館へ行って長期滞在ビザを取得する必要があるそうです。

チェコでフリーランサーとして働きたい人のための、ビザ手続き手順覚書。

こちらの方がおっしゃるように、ビザエージェントを見つけて助けを借りるのが良さそうです。

費用

Živno:1,000Kč(約2,600円)

長期滞在ビザ:100ユーロ(ドイツのベルリンにあるチェコ大使館で申請した場合。)

参照元

期限

6か月間(その後最大で2年間まで更新可能)

参照元

申請の流れ

これも、先ほど紹介したチェコでフリーランサーとして働きたい人のための、ビザ手続き手順覚書をご覧ください。

エストニア

私のエストニアのイメージは「ITの活用で成長している国」でした。実際、タリン(首都)ではソフトウェアエンジニア職の求人は豊富に存在し、日本の会社員と同じ(あるいはそれ以上)程度の賃金の求人も見つかります。有名どころだとMicrosoftとTransferWiseのオフィスがタリンにあります。

(ちなみに私は2017年にタリンを訪れました。その後、タリンの印象が良かったので、TransferWiseのfull stack developer職に応募してみたものの、面接で落とされたという経験があります)

タリンはまた行ってみたい街の一つなので、フリーランスとして入国・滞在できるのか調べてみてみました。

概要

エストニアには『電子国民』ことe-residencyと呼ばれるサービスがあります。このサービスを使って『電子国民』になると、エストニアに入国することなく法人の設立や銀行口座の開設といったことができます。そして、世界中のどこにいてもエストニアに存在する法人のオーナーとなり、EU圏内の法人・個人を相手に仕事をすることができるようになるわけです。その為、ヨーロッパに住まずにヨーロッパの顧客を相手に仕事をしたいフリーランサーやデジタルノマドの中でこれを利用する人がいるようです。

(エストニア政府からのe-residencyの詳しい情報については、日本語版がこちら、英語版がこちら

が。

エストニアに住みながらフリーランスとして働きたい人は、e-residencyは居住の許可を与えるサービスではないという事に注意しなければなりません。あくまで法人の開設と銀行口座の開設、そして(契約書などに利用できる)電子署名が可能になるだけです。

参照元

では、居住の許可を得るにはどうすればいいのでしょうか。エストニアの国境警察のウェブサイトによれば、個人事業主がビジネス目的でエストニアの居住許可を得るためには最低でも16,000ユーロの資本をエストニアに投資している場合とのこと。

つまり…エストニアでフリーランスとして住むには、e-residencyと居住許可の両方を申請しなければならないわけですね。

期限

上記の国境警察のウェブサイトによれば、最大で5年間とのこと。

費用

e-residencyのカードをエストニアの国境警察で受け取る場合は100ユーロ、東京で受け取る場合は130ユーロ(これに加えて、上述の”16,000ユーロの資本”を準備することをお忘れなく)。

参照元

居住許可の申請費用は記述されていませんでした。

申請の流れ

e-residencyの申請方法は…翻訳するの面倒くせ…これでも読んでください…

エストニア・e-residency(電子国民)の申請

居住許可の申請については、国境警察にて申し込みを行い、その際には顔写真が必要とのこと。

参照元

 

 

以上、EU加盟国(…の中で、個人的に興味がある国)でフリーランスとして居住する方法でした。

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