英語

ITエンジニアはどこまで(&どうやって)英語を覚えるべきか

『英語を話せなくてもITエンジニアにはなれるけど、Stackoverflow、GitHub、各種フレームワークのドキュメントを読めるぐらいまで英語を習得すべき』

『そしてそのレベルに到達するまではどんな勉強をすればいいか』

今日の記事ではそんな話をします。(怪しい英語教材の広告は出てきません。ご安心ください。)

技術者である我々はどこまで英語を覚えるべきなのか?

英語の学習には終わりはあるのでしょうか。

もしあなたが通訳者のような英語を使うプロだったらそこに終わりはないかもしれません。が、ITエンジニアにとっては、一応英語学習の最低限のゴールらしきものはあると私は考えています。

そのゴールとは、(冒頭でとっくに話しましたけど)以下のサイトをすらすら読めるようになるまでです。

  • Stackoverflow
  • GitHub
  • プログラミング言語やフレームワークの公式ドキュメント

なぜって?もうすでに現場で働いている人からすれば理由は明白でしょうが、これらが理解できる人と出来ない人とでは、手に入る情報の量に雲泥の差があるからです。具体的に言うと…

  • Stackoverflowが読めればバグを直す方法が早くみつかるから
  • GitHubが読めればオープンソースのライブラリ等の説明が理解できるから、それと他のエンジニアから報告された問題(Issues)からバグの改修方法を見つけられるかもしれないから
  • プログラミング言語やフレームワークの公式ドキュメントが読めれば、わざわざ技術書等を参照しなくてもその言語/フレームワークの使い方が分かるから

別に英文を読めなくても、エンジニアとして就職することは可能でしょう。が、英文を読める人と比べると、あなたは現場にて(バグの改修やフレームワークの使い方などの)情報収集の面でハンデを背負って戦うことになります。

ITエンジニアとして必要な英語力はそれだけです。ただ読めるだけでいいんです!英文を書く事ができればStackoverflow等で質問ができるので便利ですけど、英語を話せる必要は無いですし、リスニング能力がなくてもエンジニアは余裕で務まります。

私はこの記事にてどこの国で何を開発しているかに関係なく、全てのエンジニアに普遍して言える事についてお話ししているつもりです。

「GAFAのエンジニアに、俺はなる!」とか「シリコンバレーに行く!」みたいな目標(トップの外資系企業で働く、外国で働く等)を持っている人にとっては、「英語?ただ公式ドキュメントを読めれば十分じゃね」とはいかないでしょう。

そりゃ外資のトップや欧米諸国で働ける英語力があれば、会社員としては稼げるチャンスは上がるでしょう…けど、それはこの記事の趣旨とは違うので割愛。

じゃあ、そこまで行くための勉強方法とは?

私が考える、独学で手堅くそこまで行ける方法がこれです。

  1. 高校英語レベルまでの文法をマスターする
  2. 高校英語レベルの長文と構文を何度も音読する

私が文法を終えた後に音読を勧める理由は、意味が理解できる英文を何度も音読することは、英文を直読直解できるようになるための確実な方法だからです。

何を根拠にそんなこと言ってるのかって?私は今年『音読って英語学習に効果あるの?と疑問な方に「英語の話しかた」を勧めたい』という記事を書いたのですが、そこで説明した事をここでも繰り返します。

音読を繰り返すことで直読直解が可能になる理由とは…英文を発話実感を持ちながら音読しようとすると、文の頭から理解しなくてはならないからです。結果、脳が英文を英語の語順で理解するように働くのです。(もっと詳しくこの根拠について知りたい方は、上記の記事を是非ご一読ください)

私は一応プログラミング言語やフレームワークの英語版ドキュメントをほぼ毎日読んでいるので言わせてもらいますが、これらのドキュメント程度に出て来る文法は、日本の高校英語で十分カバーされています

(知らない単語や熟語が出てくることはあるでしょうけど、そんなもん大した問題にはなりません。ブラウザ上で英文を読んでいる限り、単語の意味ぐらいならその場でググればわかりますから。Google Chromeにもそんな拡張付いてますし。)

私が考える学習プラン

では、具体的にはどのような事をどのようなステップで勉強していけばいいのでしょうか?
私が考えるプランはこんな感じです。

まず、発音を覚える【選択】

中学レベルの英文法問題集 2〜3周

中学レベルの音読

高校レベルの英文法問題集 6周

高校音読教材 & 高校構文集

以下、詳しい説明です。

発音は覚えるべきか?

もしあなたが英語の発音についての知識がないのなら、発音の練習から始める事をお勧めします。なぜなら…

  • 下手な発音が身に付いたまま何度も音読をすると、後でそれを直すのに時間がかかる
  • そして発音を覚えるとリスニングにも効果がある
  • なので、英文読解だけでなく会話もできるようになりたいと思った場合、発音から始めておくと得

…が、しかし。

ITエンジニアにとって最低限必要なのは英文を読む能力だと話しました。エンジニアの業務として、きれいに英語を発音できる必要があるとは思いません。それに加えて、既に現場で働いている人の人は、今さら語学学習に時間を充てることなんてできないくらい忙しい生活を送っているのです。

具体的に何が忙しいかというと…

  • 日頃の業務(正社員の人はこれだけで平日8時間以上かかります)
  • 新しい言語やフレームワークの習得といったスキルの向上
  • 自分のプロジェクトを抱えている人は自分のプロジェクト
  • 世帯持ちの人は家族の面倒

…などなど。そういったことを考え、発音の習得についてはあえて【選択】としました。あなたが英語の習得に本気であるのなら、発音の習得から始めましょう。

中学の英文法&音読

もしあなたが中学レベルの英語を完全に覚えている自信があるなら、ここは飛ばしてしまってかまいません。

では、もしそれすら覚えていないのなら?

「○歳にまでなって、今さら中学生向けの教科書なんて…」みたいなエゴは捨て去り、ここから始めましょう。エゴは成長の敵です。我々のゴールは大学受験で出てくるレベルの英文を返り読みせずに理解できるようになることです。ここを飛ばすわけには行きません。

私が(IELTSの勉強をし始めたときに)使った教材はこちら。


くもんの中学英文法―中学1‾3年 基礎から受験まで (スーパーステップ)


みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング(CD BOOK)

高校レベルの文法

IELTSの勉強をしていた頃、私は高校レベルの英文法の問題集を6周しました。この数字は適当に思いついた訳ではなく、英語上達完全マップと呼ばれる書籍にて推奨されていた数です。(英語上達完全マップのウェブサイト版はこちら

もしあなたが大学受験を終えたばかりの大学生で、高校レベルの文法ならちゃんと覚えているようでしたら、6周もしなくていいかもしれません。(自信がある方は0周でもいいかも)


総合英語Forest 7th Edition

高校音読教材 & 高校構文集

さて、高校レベルの英文法を終わらせたところで、いよいよ高校レベルの長文の音読を始める時期です。
そして、それと並行して高校英語の構文集の音読に取り掛かる事を勧めます。

なぜそんなことをするのかって?構文集を(口頭で読み上げながら)暗記し、英語の構文の頻出パターンを頭に刷り込むことで、英文読解の速度が上がるからです。


入試英語最重要構文540CD付

私がおすすめする書籍『入試英語 最重要構文』の著書も、こんな事をおっしゃっています。『構文を暗記するのは賢い方法である。九九を暗記しているからこそかけ算をつかって計算できるのであるのと同様、使用頻度の高い構文を頭に叩き込むことで、同じパターン(構文)の英文が出てきた時に即座に理解する事ができるのだ』と。

私がおすすめできる高校レベルの音読教材がこちら。


速読英単語1必修編[改訂第6版] (Z会文章の中で覚える大学受験英単語シリーズ)

文法問題集と音読教材をどう使う?

まず文法ですが、上述の英語上達完全マップに書いてある通り、問題をただ黙って解くのではなく、一問解くごとに発話実感をもってその文を読み上げましょう。

(英文法学習の詳しい解説はこちら

次に、音読です。

音読はまず教材を完全に理解しましょう。わからない英文や単語がでてきたら、文法書に頼るなり辞書を使うなりし、不明な点を一掃しましょう。そしたら1パッセージを100回音読しましょう。そうです。100回です。

この100という数字を見て「冗談だろう?」と思った方もいらっしゃるかと思いますが、冗談ではありません。これは完全マップの著者である森沢先生や、上述の記事で紹介した同時通訳者の(故)國弘先生が勧める回数です。

ただし、あなたは1パッセージをいきなり100回読む必要はありません。100という数字をいくつかに分割してもらって結構です。その方が飽きにくく、集中力が持続します。(私は完全マップのやり方に従い、30+20+20+15+15という感じで音読学習を進めました。)

また、音読教材についている音源を使ってシャドーイングを音読の中に盛り込むこともおすすめです。(例…音読30回のうち、音源を使わない音読を20回、シャドーイングを10回)

シャドーイングのやり方は、完全マップには次のように説明されています。

シャドーイングは(略)、ポーズのない英語の後を聴きながら少し遅れて同じ英文を繰り返すトレーニングです。オリジナルの英語に影(shadow)のように従いついていくことからこの名があります。発音・イントネーションを磨くとともに英語に対する反射神経を養ってくれますが、非常に集中力を要しますので、通訳養成学校でも一度に行うのは10分前後のようです。

シャドーイングを行う際は、自分の声でモデルの声がかき消されないようにヘッドホンを使う必要があります。注意点をいくつか挙げましょう。モデルの音声についていこうとして、単語の脱落や間違いが起こり、自分でそのことに気づかないということがよくあります。また、急ぐあまりイントネーションや区切りがめちゃくちゃになりがちです。また、なんども繰り返すと文を覚えてしまい、モデルの英文より先に文が終わったりすることもありますが、これでは音を聞いてから繰り返すという原則が守れていませんね。以上のような問題は、自分のシャドーイングを録音してみるとすぐに発見することができます。

(全文はこちらから)

余談ですが、過去に中学レベルから英語をやり直し、最終的にIELTSで6.5点取るための学習プランを書きました。この記事はIELTS(リーディングだけでなく、リスニング、ライティング、スピーキングを含む英語のテスト)をパスしたい人向けに書いたものであり、「高校英語レベルの英文を読めるようになる」よりもずっとハードルが高い目標です。

本記事はこのIELTS対策から「高校生レベルの英文を読めるようになる」までの過程を抽出して書いたものです。

最後に

正直言うと、この記事を書いている最中、「この記事、やっぱり書かない方がいいのでは」と何度か思いました。

なぜって…既に述べたとおり、ほとんどの現役エンジニアはもう既に忙しい毎日を送っているのですから。「英語の勉強をしておくと役に立つよ」なんて言ってしまったら、読者を遠ざけてしまうのではないかな、と。「俺たちはもうそんなことしている暇もないくらい忙しいんだよ」、と。

が、こうしてこの記事を書いた日だって私はStackoverflow、GithubそしてJestのドキュメントを読んで仕事をしていました。だから「やっぱりこれらを読めずに仕事をすることは考えられないな…」と思い、今日はこんな話をした次第です。英語を覚えることはあなたのキャリアを救います。Trust me.

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