留学準備

英語圏への留学予定者向け・英文によるアカデミックライティング入門

英語圏の専門学校 or 大学(院)へ留学する人へ向けて、エッセイやレポートといった課題をパスするために必要なアカデミックライティング(+その書き方)についてお話します。

そもそも、アカデミックライティングとは何か

定義

一言で言えば、アカデミックライティングとは論文及び大学・大学院で課されるレポート及びエッセイ等を書く為のライティングの技術です。(ウィキペディアによれば、アカデミックライティングとは論文やレポート課題以外にも使われるそうです。でもそれは私達とは無関係なので割愛)

アカデミックライティングの特徴

学校の課題として使われるアカデミックライティングと特に何の決まりにも従っていない英文には、主に以下のような2つの違いがあります。

1つ目は、アカデミックライティングでは文章を導入(Introduction)・本体(Body paragraphs)・結論(Conclusion)の3つで構成することです。

  • まず、Introduction1パラグラフで課題テーマの背景について話します。それから、そのテーマに対するあなたの主張 or 意見を述べ、文章の構成を書きます。
  • 次に、Body paragraphsではあなたの主張を複数のパラグラフを使って書いていきます。目安としては、1000語前後のエッセイなら3〜5パラグラフくらい書くことになるでしょう。
  • 最後に、Conclusion(1パラグラフ)では課題テーマを繰り返し、各Body paragraphを要約し、あなたの主張を再度述べます。

(↑この構造を理解しておくのは非常に重要です。この記事の後半で例をお見せします)

2つ目は、自分の主張を裏付けるために、文献(書籍、論文、研究ジャーナルなど)の引用先を提示しなければなりません。一般的に、レポートやエッセイの課題は他人の研究成果を引用しつつ書くもので、引用先を明らかにせずに他人の研究成果を利用するとペナルティが待っています。

アカデミックライティングを覚える理由

アカデミックライティングを覚える理由は、これを知らないでレポートやエッセイを書くと良い点が貰えないから(あるいは、課題をパスできないから)です。

例えば、私が大学院に通っていた頃、Securityの講義で私のクラスメイトだったインド人がエッセイの課題(グループワーク)にて残念なことに0点を取ってしまいました。一緒にエッセイを書いていたパートナーが、別の論文の一部をそのままコピペしてたことが判明したからです。(小保方さん…)

他の論文やレポートの一部を引用する際は、引用句を使い、引用先を明記しなければなりません。もしそのインド人達がアカデミックライティングについて知っていたら、そういった事故は防げたかもしれません。

(ちなみにそのインド人はすごく優秀な方で、テストで高得点を取ることでその講義自体はパスしていました)

アカデミックライティングを使って英文を書くためのステップ

アカデミックライティングの概要がわかったところで、次は書き方についてお話しします。アカデミックライティングを使ったレポート/エッセイの執筆の手順を噛み砕くと、次のようになります。

  1. まず問われている事が何かを認識する
  2. それからテーマについて調査し、書くネタを決める
  3. ネタが決まったら文の構造を決める
  4. 執筆を始める
  5. 引用先を明示する(Citation)
  6. 推敲+文法や語彙の間違い探し
  7. 提出

以下、ステップ1〜3及びステップ5の詳細です。(ステップ4、6、7は説明しなくても何のことかわかるでしょうから割愛)

ステップ1:何が問われているかを認識しよう

レポートやエッセイが課されたら、まずしなければならない事が何を問われているかを認識することです。

例えば、Should the cellphones be allowed in school? (携帯電話を学校に持ち込む事は認められるべきか?)といったエッセイ課題が出されたとしましょう。あなたが問われていることは賛成か反対かのどちらかです。なので、あなたがエッセイの中で書くのは(携帯の学校への持ち込みに)賛成か反対か、そしてその理由です。

その一方、Discuss pros and cons of bringing cellphones to school(学校へ携帯電話を持ち込む事のメリットとデメリットについて書け)みたいなテーマだったら?あなたが問われていることはメリットとデメリットをそれぞれ書くことです。

それでは、Cell phones have become a major distraction in many schools. Identify the main problems and suggest possible solutions (携帯電話は多くの学校で授業の妨げとなってしまった。主な問題を特定し、解決策を提示しろ)といったテーマだったら?あなたが書くのは問題及びその解決策です。

ステップ2:テーマについて調査しよう

問題を認識し終えたら、次はテーマに関連した文献を探しましょう。

テーマに関連した文献とは(上述の通り)主に書籍、論文、研究ジャーナルなどであり、ネットで探すのが一般的です。一般的に公開されているサイトではGoogle scholarがおそらく最も便利なサイトでしょう。また、多くの大学・専門学校は、学生向けに論文や本やレポートを探すためのサイトを用意しているはずです。(私の母校にもありました。卒業してしまったので私はもう閲覧できませんが)

ではテーマの調査について例を挙げましょう。あなたのレポート課題が上記の「携帯電話を学校に持ち込む事は認められるべきか?」だった場合、あなたは以下のような事について取り扱っている文献を探すことになるでしょう。

  • 携帯電話がもたらす集中力への影響
  • 携帯電話を持ち込み禁止を決めた学校において生徒の試験の点数がどれほど向上したか(あるいはしなかったか)の報告

それではGoogle scholarでさっそく文献を探してみましょう。”cell phones in school”で検索した結果がこんな感じ。

Google scholarで論文やレポートのネタを探す

こういった感じで課題に関連した文献を探し、見つかったらネタとしてどこかに書き留めておきます。

ステップ3:文の構造を決めよう

テーマについて調査していくことで、あなたのテーマに対するスタンスが決まっていき、そして書くネタが溜まっていきます。「これだけ調べればレポート(あるいはエッセイ)が畫けそうだ」と思ったのなら、次は文の構造を決めましょう

ステップ1で挙げた3つの例題を元に、あなたのレポート/エッセイがどんな構造になるかを考えましょう。

例1:Should the cellphones be allowed in school? (携帯電話を学校に持ち込む事は認められるべきか?)

もしあなたが賛成の立場(Yes)をとるなら…

  • Introduction:テーマの背景について書き、学校への携帯電話の持ち込み許可に賛成であることを明らかにする
  • Body paragraph 1:賛成理由1
  • Body paragraph 2:賛成理由2
  • Body paragraph 3:賛成理由3
  • Conclusion:理由1〜3をまとめ、再度携帯電話の持ち込みに賛成する旨述べる

こういった構造のエッセイを書けば、少なくともエッセイの構造が原因で減点されることはまずありません。

例2:Discuss pros and cons of bringing cellphones to school(学校へ携帯電話を持ち込む事の長所と短所について書け)

あなたが問われていることは長所と短所なので…

  • Introduction:テーマの背景について書く
  • Body paragraph 1:長所その1
  • Body paragraph 2:長所その2
  • Body paragraph 3:短所その1
  • Body paragraph 4:短所その2
  • Conclusion:上記の長所と短所をまとめる(あなたの個人的な意見を求められているときはそれも追加)

といった構成になるでしょう。

例3:Cell phones have become a major distraction in many schools. Identify the main problems and suggest possible solutions (携帯電話は多くの学校で授業の妨げとなってしまった。主な問題を特定し、解決策を提示しろ)

テーマは問題および解決策なので、全体の構造は…

  • Introduction:テーマの背景について書く
  • Body paragraph 1:問題その1
  • Body paragraph 2:問題その2
  • Body paragraph 3:解決策その1
  • Body paragraph 4:解決策その2
  • Conclusion:上記の問題と解決策をまとめる

あるいは

  • Introduction:テーマの背景について書く
  • Body paragraph 1:問題その1、及びその解決策
  • Body paragraph 2:問題その2、及びその解決策
  • Body paragraph 3:問題その3、及びその解決策
  • Conclusion:上記の問題と解決策をまとめる

といった構造になるでしょう。

レポートやエッセイで問われるテーマの種類は他にもたくさんありますが、基本的な構造はいつでも「Introductionでテーマの背景を書き、Body paragraphでネタ(=あなたが調べてきたこと)を書いていき、Conclusionでそれらをまとめる(必要があればあなたの個人的な意見も足す)」です。

私の母校のウェブサイトにこれら以外の種類のテーマが紹介されています。全部紹介すると記事が長くなりすぎるので割愛しましたが、興味がある方はこちらからご覧ください。

ステップ5:引用先を明示しよう

文を書き終えたらそこで終了ではありません。あなたがステップ2で見つけてきたネタの引用先を明示する必要があります。文献の引用先を明示することはCitationと呼ばれます。

Citationには複数のスタイルがあります。主なスタイルはAPA、MLA、Harvard styleといったものであり、どのスタイルが適切なのかは学校(あるいは提出先)によって違います。なので、あなたはレポートやエッセイ課題を提出する前に、どのスタイルにしたがってCitationをするのか決めることになります。

Introduction(導入)、Body(本体)、Conclusion(結論)の書き方

文を書いていくためのステップを紹介しましたが、各パラグラフは具体的にどうやって書いていけばよいのでしょうか?

Introduction

Introductionは以下の3つに分割できます。

1つ目は課題のテーマの背景を紹介することです。例えば、「Should the cellphones be allowed in school? (携帯電話を学校に持ち込む事は認められるべきか?)」が課題のテーマなら、「生徒が携帯電話を学校に持ち込む事が一般的になったということ」をテーマの背景として考えていいでしょう。Google scholarで見つけたとあるレポートには、Introductionが以下の一文で始まっていました。

The expansion of cell phones during the past decade has made it commonplace for students and teachers to have cell phones in the school setting.

2つ目は課題のテーマについてのあなたの立場の主張です。例えば、テーマが「○○に賛成か、反対か」タイプでしたら、ここであなたは自分のスタンス(YesかNoか)を書きます。「○○のメリットとデメリットを書け」タイプのテーマでしたら、テーマの主体(上の例なら携帯電話)のメリット・デメリットの概要を書きます。

3つ目はBody paragraphsの構成を書くことです。もしエッセイのテーマが「携帯電話を学校に持ち込むことで起こる問題と解決策を書け」なら、あなたのエッセイではどんなことが問題として挙げられるか、そしてどんな解決策を挙げるかを書きます。(1〜2文で)

Body paragraph

あなたが「携帯電話を学校に持ち込む事は認められるべきか?」をテーマにエッセイを書いており、あなたが携帯電話の持ち込みに反対であり、Body paragraphで「理由は、授業中にSNSの通知やメールが気になって集中できない子どもがたくさんいるから」と書くつもりでいたと仮定しましょう。

Body paragraphを書くためのステップは以下のような感じになります。

まず、パラグラフをTopic sentenceで始めます。Topic sentenceとはそのパラグラフの主な内容を紹介するために書く一文です。この場合、”The first reason why cell phones should not be allowed in school is that students are distracted by SNS notifications and email.”…みたいな感じになるでしょう。

それから、Topic sentenceで主張したいことの例や証拠を書いていきます。あなたはこのパラグラフで「授業中にSNSの通知やメールが気になって集中できない子どもがたくさんいるから」と主張したいわけです。なので、あなたが今まで調べてきた文献から、その主張を支える情報をここで書くのです。(例:携帯をそばに置いて作業をすると作業能率が○%落ちたという実験結果が報告された、等)そして引用先の明示をお忘れなく。

そして最後の1文でパラグラフをまとめます。この1文はConcluding sentenceとも呼ばれます。

Conclusion

Conclusionではテーマについて述べ、Body paragraphsで述べてきた事をまとめていき、そしてIntroductionで述べたあなたのテーマに対する主張を繰り返します。

アカデミックライティングを使って書かれたエッセイの例

さて、この記事をここまで読んで

「へーなるほど。アカデミックライティング、書けそうだよ!」

と思っている人はあまりいないんじゃないかと思います。ただ書き方だけを提示されても、例が無いとイメージが沸きにくいでしょうから。

そこで、私の母校のウェブサイトにて紹介されているこちらのエッセイの例を参照する事をお勧めします。私がこの記事で紹介した各パラグラフの書き方通りに書かれたエッセイが見られます。

最後に:学校でアカデミックライティングのアドバイスを貰おう

この記事を読んでもし「こんなの覚えられねーよ!」とお嘆きになった方がいらっしゃったら、これから行く学校へ問い合わせて、ライティングについてアドバイスを貰えるか聞いてみることをお勧めします。

私が学生だった頃、図書館に行けばライティング課題の進め方やCitationについてアドバイスを貰うことができました。(詳しくはこちらから)私の母校のみでなく、GriffithとUQにもライティングに関する相談サービスがあったと聞きます(うろ覚えですが…)。

以上、私からのアカデミックライティング入門でした。参考になりましたか?なっていたら幸いです。

追伸

この記事にて私の母校のサイトを何度か参照しましたが、当然ながら私は母校から特に報酬などは頂いておりません。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください