まだ留学の準備をしていた頃、
- 卒業まで留学資金が持つか、そして
- 本当にIT未経験なのにいきなり大学院のITの講義についていけるのか
について多少不安があったのですが、それらと同じくらい気掛かりだったのだが「ITエンジニア・プログラマーの経験が無い外国人を雇う現地企業なんてあるのか?」ということでした。私の場合、日本でのサラリーマンの経験はあるものの、ITとは無関係な事をしていたのです。
今回は「外国で働けるようになりたい・・・けど、日本で職歴を積んでからの方がいいのかな?」と思っている人に向けて、私と私の学生時代の留学生仲間の経験をお話したいと思います。
(私の専攻はITなので、あくまでオーストラリアのIT業界の就職事情が話の中心になります。ご了承ください。)
ITの職歴ゼロで現地で就職できた例
まず私の例から話したいと思います。(自慢気ですいません。)
私は卒業する1ヶ月位前から求人サイトを使って就活を始めました。
- インターンシップなどの経験はありません。また、
- 成績(GPA)は7点満点中5.3くらいだったので、特に優秀な成績で卒業したわけではありません。
ほぼ毎日オーストラリア国内・そして興味がある国の求人で、自分の専攻(ソフトウェア・Web開発)と関係したものにレジュメを送り続けました。その中で選考まで進んだのは合計で5〜6件程だったと記憶しています。最終的に、Graduate Web Developerを募集していた現地の企業に入ることとなったのです。(今もそこで働いています。)就活開始から2〜3ヶ月後のことでした。
次に、私の級友だったインド人・ネパール人の例です。彼らも私と同様にインターンの経験はありません。成績は聞かなかったのでわかりません。二人とも、私と同様に就活開始2〜3ヶ月後にWeb開発者の仕事を見つけました。
この二人とは別に、それまで職歴がなかったイラン人とインド人を一人ずつ知っています。この二人は卒業後に無休のインターンシップを3ヶ月ほどしていました。その後、現地でソフトウェアエンジニアの職を見つけました。インド人の方はIT業界の中ではかなり有名な企業に入りました。
注:オーストラリアで学校を出てから仕事を手に入れた外国人は他にもたくさんいます。私がここで紹介したのはあくまで職歴ゼロから仕事を見つけられた外国人です。
IT業界で最も狙いめな分野は開発関係
ITに限って言えば、開発関係の仕事が最も狙いめです。セキュリティ、ネットワーク、データサイエンスと言ったように、ITと一言で言っても色々な分野があります。しかし、
- 求人の数
- 給料の額
の2つの点で言うと、やはり開発関係の仕事(特にモバイル系)がおすすめです。
私に学生時代の友人の中で、ソフトウェア・Web開発を中心に勉強してきた人たちの多くは(職歴あり・なしに関わらず)ほとんどが現地で職を見つけました。その一方で、あまり技術的でない分野(ITビジネス等)を選んだ人達の多くは自分の国へ戻っていきました。
オーストラリア国外での職歴はちゃんと評価される
「日本で職歴を積まなくても現地で就職できるのか!」
と思った方に水を指すようで申し訳ないのですが、職歴無しで現地で仕事を見つけることはできても、職歴があった方が当然有利だということは忘れないでおいてください。
例えば、私の学生時代の友人の中に、台湾でiOSアプリの開発を3年していた台湾人がいます。卒業する半年前のことですが、オーストラリアのとある大手銀行がソフトウェアエンジニアの有給のインターンを募集していました。私もそこでインターンをしたかったのですが、
「GPAが5.5以上ない人とは契約できない」
と、門前払いを食らったのです。(繰り返しますが、GPAとは学校の成績のことです。)しかし、その台湾人の彼女は、私と同様にGPAが5.5未満だったのにも関わらず、そのインターンに受かったのです。
「GPAが足りてない、とか言われなかった?」と私が尋ねると「台湾での経験を評価してもらった」とのことでした。彼女はインターン終了直後にその銀行からフルタイムの仕事のオファーを貰い、現在もそこで働いています。
まとめ
「ITの職歴を積んでからオーストラリアに来るべきなのか?」これはあなた次第です。
「自分はもう早くオーストラリアへ行きたいんだ!」と思っているようでしたら、それはそれでアリだと思います。未経験でも仕事が見つかる可能性は無いわけではありません。しかし、
- 就活に時間がかかる
- 始めのうちはそれほど良い待遇の仕事は見つからない
ということだけ覚えていてください。
「せっかく大金を投資して留学するんだから、成功率を上げてから渡豪したい」と思っているようでしたら、1〜2年程度でいいから日本(あるいは別の国でもいいでしょう)で職歴を積んでから来るのが無難でしょう。職歴がない場合に比べれば、就活がスムーズに進みますし、待遇の良い(給料が良い、将来ビザのスポンサーになってもらえる等)ポジションが見つかる可能性も上がります。
特に、あなたが永住も視野に入れているようでしたら、ビザの延長をしてもらえそうな規模の会社を見つけたいでしょうから、少しでもいいから職歴を積んでくることは堅実な選択だと思います。