海外生活全般

日本って素晴らしい国だなと思う点・医療サービス

「チェコに来たの間違いだったかな…」と思う出来事が最近あった。それは歯科医院に行った時の事。

プラハに来て2カ月ほど経った頃、最後に歯医者から虫歯が無いか診てもらってからもう1年以上経ったいたことを思い出す。それからネットで歯科医院を何件か見つけて「虫歯が無いか診てもらえませんか」とメールを送る。が、どこの歯科医院も1ヶ月は予約でいっぱいだから来月以降に来てもらうことになるとのこと。

「うーんこの街には歯医者が不足してるんだろうか。それとも俺が(チェコ語を話せないために)英語を話せる歯医者の所にしか行けないからヒマな歯医者を見つけられないだけなんだろうか」

などと考えつつ、アパートから一番近い歯科医院に検診の予約をして1ヶ月弱待つことにした。

 

で、検診の日。

「特に異常ありませんよ。どの歯も健康です」

毎食後きっちり歯を磨く習慣を持つ模範生な俺は検診後に歯医者さんからそんな返事が返ってくると期待してた。が、予想に反して検診の結果は「虫歯が3本あります」だった。

 

 

 

刃牙:うっそだろう

「虫歯が3本あるだなんてセリフ、35年以上生きてきて初めて聞かされたわ。俺一体いつからそんなに歯磨きが下手になったんだろう?」

と落胆しつつも「済んでしまったことを嘆いてもしゃあないわ。さっさと治療してもらおう」と思って「いつ治療を受けられますか」と尋ねたら、「治療は最短でも今から1ヶ月以上待ってもらうことになる」とのこと。そして治療費は虫歯一本あたり3,000CZK(約1万7千円)+技術料500CZK(約2,900円)

そして…

「向こう数カ月で予約できる時間帯は限られている。なので1度に治療できる虫歯は一本だけ。全部の虫歯を治療するには3回通院してもらうことになる」、と仰る歯医者さん。3度目の通院が終わるのはこの日から数えて1か月半後である。

歯医者を訪問して虫歯を治すのに合計2か月半以上、そして治療費は合計で(日本円にすると)6万円ちょっと。

うーん…日本人の感覚からすると時間も金もかかりすぎじゃないか?これってチェコだと普通なんだろうか?

(私が行った歯科医院。ブログのネタになるかなと思って写真を撮った。映りが良くないのは見逃してやってください)

チェコ人医師の海外流出

この歯医者での出来事があった数週間後、プラハで行われてるランゲージエクスチェンジに顔を出した。ランゲージエクスチェンジとは外国語を勉強している人達が集まり、各々が勉強している外国語を使ってその外国語を話せる人を相手におしゃべりする会合である。

で、この日俺はもちろんチェコ語学習者として参加した。チェコ語を使ってチェコ人参加者達に話しかけるも、俺がチェコ語でまともな会話なんてまだロクにできないことに気付いた彼らはほどなくして英語に切り替えて俺に話し始めた。

「チェコに来てからネガティブな意味での驚きはあった?」

と、参加者の一人が訊いてきたので、

「歯医者さんを見つけるのが大変だったことと、虫歯の治療の為に1ヶ月以上待たなければならないことかな」

と答えた。

「それはこの国の問題なんだよ」

と、20代半ばくらいに見えるチェコ人男性が答える。彼が言うには、チェコ政府は公共の医療サービスに十分な投資をしてないそうで、チェコ人の医者・歯科医達は仕事に見合うほどの収入を得られていないらしいのだ。で、チェコ人医師の中にはドイツ語を勉強し、いい条件の仕事を求めてドイツへ行く人もいるんだとか。

大したもんだなー、とその話を聞いて感心してしまった。経験上言うと、プログラマはIELTSで6.5点くらい取れる英語力があれば、とりあえず英語環境で働くための語学力は備わってると思っていい(自分以外の全員が英語ネイティブの職場だったらもう少しハードルが上がるかもしれんが)。でも、海外で医者になるんだったらそれっぽっちの語学力じゃ務まらないんじゃないかな。だって医者って患者と円滑に会話できないと成り立たない仕事じゃない。しかもドイツ語って文法が英語よりもずっと難しいし(←私の個人的な意見です)。

でもそうやってお医者さん達が海外へ流出していくとなると、チェコに住んでる人間がまともな医療サービスを受けるには

  • お医者さんの元へ行くのに数週間~1カ月待つ
  • 他人よりも多めにお金を払って私立の病院・歯科クリニックを利用する

のどちらかの選択肢しかないってことだ。

オーストラリア・ポーランド・エストニアでの経験について語る

さて、これまでチェコ以外に住んだことのある上記3か国でお医者様からお世話になった時の経験をここで書いてみたい。

オーストラリア

オーストラリアには合計で5年10カ月ちょっと住んだ。その間にはGPと呼ばれるお医者さんの元を訪れたことが2度あった。

(GPとは一般のかかりつけ医のことであり、General Practitionerの略。オーストラリアでは具合が悪くなったらまずGPの元を訪れ、薬を飲めば具合がよくなりそうなら薬をGPから処方してもらうのだ)

オーストラリアでは留学生は学生向けの保険に強制的に加入させられる。そして留学生が卒業後に学生ビザを使ってオーストラリアで生活を続ける場合は、保険会社の健康保険に自分から加入することが義務付けられている。うろ覚えなんだけど、当時はたしか月30豪ドルの保険に加入してたはず。その頃はまだ1豪ドル=85円くらいだったから、日本円にして2,550円程度である。個人的には全然悪くない値段だった。GPの診療を予約してから診察してもらえるまでほんの数日しかかからなかった(…と記憶している)。

オーストラリアの場合、高額なのは虫歯の治療だ。虫歯一本の治療の2~3万円かかることも珍しくないんだとか。幸い自分はオーストラリア時代は虫歯ゼロで過ごせたので本当なのかどうかはわからない。興味がある人は『オーストラリア 虫歯 治療費』みたいな語句でググってみてください。

ポーランド

ポーランドには合計で1年11カ月住んだ。その間、鼻詰まりが酷くなってGPの元を訪れたのが3回。歯の矯正の為に歯科医院を訪れたのが複数回。歯の矯正の点検の際に虫歯が見つかり、治療をしてもらったのが1度あった。

ポーランドでは公共の医療サービスは無料らしいんだが、サービスの質は低く、おまけにお医者さんから診察してもらうには1ヶ月以上待たなくてはならないのが普通らしい。理由は(チェコと同様)政府が医療サービスに十分な資金を提供してないからなんだそうで。自分はというと、当時の勤め先が私立の病院を紹介してくれたために、全然待たなくてもお医者さんの元を訪れることができた。それもタダで。大きな会社に勤めていない普通のポーランド人が似たようなサービスを受けるには自費で診療費を払わなくてはならないはずだが、具体的にいくらなのかはわからない。

虫歯の治療をしてもらった歯科医院は私立のクリニックだった。料金は良心的だった。確か150zl(4,500円)だったはず。従業員はほぼ全員英語を話せていたし施設もピッカピカで素晴らしいクリニックだった。

エストニア

エストニアには合計で1年3カ月住んだ。その間虫歯ができたことはないが、お医者さんから診療をしてもらったことならあった。

エストニアでは一般のかかりつけ医はGPではなくFamily doctorと呼ばれていた。で、エストニア在住者が緊急時以外でお医者さんから診察を受ける際には、事前にFamily doctorの下で自分を診察可能者として登録してもらわなくてはならないのだ。

が、エストニアに住んでいた間、自分は少なくとも20人以上のFamily doctorに登録を頼んだのだけれども、返事は全て「ウチにはもう空きがない」か「英語を話せないから無理」だった。なので、お医者さんに何かを相談するには自費で私立のクリニックを訪れなければならなかった。

今年の1月頃、急に右耳が聞こえなくなった。

「Family doctorに登録を済ませている同僚たちは皆タダでお医者さんから診てもらえるのに、俺だけ自腹切って私立のクリニックに行くのスゲー嫌だなぁ」

と思いつつも、近所にある有料クリニックを訪れた。結果はただ耳の穴に異物が詰まっていただけ。それからお医者さんから水鉄砲みたいな器具で耳を洗浄してもらったら、以前と同じ様に右耳が聞こえるようになった。たったそれだけのことをするのに65ユーロ払ったのはあまりよくない思い出である。

日本の医療サービスって素晴らしい

と、こうやって今まで住んだ国での経験を思い出している内に気付いたんだが、自分がこれまで住んだ国では

  • お医者さんから診察してもらえるまでの待ち時間が長い
  • 金を払って私立の病院・診療所に行かなければまともなサービスを受けれない

こういった問題に直面する機会が少なくなかった。そう考えると、大して待たされることもなく、庶民でも質の良い医療サービスを受けられる日本ってすごい国じゃないかな…とつい思ってしまうのだ。

自分は日本の労働文化(残業多すぎ、有給取れない、等)に不満があり、それが理由で海外で働けるようになってやると決意したのだ。「他所の国で働けるようになれば、今よりマシな会社員生活が送れるんじゃないか」と。実際、これまで働いてことのある国では毎日定時で帰れて気軽に有給も取れた。が、自分がサービスを提供する側でなく受け取る側に立つと、やっぱ日本の住み心地って最高だよな、と感じずにはいられない。

海外脱出を安易に勧めない理由「ブラック企業」や「社畜」といった言葉は、ネット上にとどまらず、一般的に知られている言葉になった気がします。苛酷な労働環境から逃れる為に海外で就職したいと思っている人はたくさんいるようですが、私は「海外の方が労働環境が良いぜ!日本から出ようぜ!」みたいな発言は安易にしません。で、今日その理由について書こうかなと。...

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください