海外生活全般

続・転職してエストニアに住みます

Javascript疲弊症

前回、「転職活動の結果、エストニアの会社から採用通知を貰えたんでそこへ行くことにした。今ドイツの会社から選考を受けているけど、技術スタックが自分の理想と違っていたことがわかったんで、もしそこに受かっても断ろうかと思う」みたいな話をしました。

そのドイツの会社での最終面接では

「○○(←ライブラリの名前)使ったことある?」

「ないです」

みたいなやりとりが結構多かったために「ありゃ受からんだろうなぁ」とあまり結果に期待してませんでした…が、なんと予想に反してそのドイツの会社からもオファーを貰ってしまいました。

もう心の中ではエストニアへ行くつもりだったんですが、折角なんで採用を貰えた2社の条件を比べてみることに。

 

1.収入

賃金を比べた結果、ドイツの会社の方が額面の賃金が年間€14,000(約175万円)高いことが判明。ドイツの一人当たりGDPはエストニアのそれよりもずっと高いのでこれは予想していた通りでした。が、私が気になっていたのはむしろ手取りがいくらになるのかでした。

まず、ドイツの会社での手取り収入を知りたいと思って”Germany wage calculator”で検索してみたらこんなサイトがでてきました。それから”Estonia wage calculator”で検索してみたら似たようなサイトのエストニア版を発見。これらを元に調べてみた結果、ドイツの会社を選んだ場合は手取り収入が3,075€(約38万円)高くなることが判明。

「175万円あった差が38万円まで縮まるの?縮まりすぎじゃない?」

と不思議に思ったので、両国の控除の仕組みを調べてみたところ

  • ドイツの場合、所得税が賃金から控除された後、Pension insurance(年金保険)、Unemployment Insurance(非雇用保険)、Health insurance(健康保険)、Care insurance(介護保険)といったSocial security contributions(社会保障負担)なるものが賃金から控除される
  • エストニアの場合、Social tax(社会税って訳せばいいのかな)なるものを雇用者が賃金とは別に払わなくてはならない。ちなみにちなみにこのSocial taxには健康保険代も含まれている。

…といったことが判明。健康保険やらが賃金から控除されるか、あるいは賃金とは別に雇用者が払うのかってところが手取りの額に大きく影響しているみたいでした。

(ところで、海外の求人に応募される皆さん、応募する会社が存在する国がどっちのパターンに該当するか調べておきましょう。これを調べずに額面だけで行先を決めてしまったら、手取りが思っていたより少なくなって後悔するかもしれません)

 

2.技術スタック

ドイツの会社だと肩書はTypescript developerで、フロントエンド開発だけやる模様。

自分は現職ではフロントエンド開発が中心だったんですが、正直言ってこの分野に飽き気味でした。加えて、フロントエンドのライブラリやFWの進歩にキャッチアップするのにも疲れを感じていました。

(ちなみに一部の人はこの現象をJavascript疲弊症(Javascript fatigue)と呼んでいるようです。新しいライブラリやFWに直面した時に「試してみようかな」ではなく「また新しいFWか…」と感じてしまったら、それは代表的な疾患ですので気を付けてください)

 

上述のドイツの会社の面接にて

面接官A「Reactの開発にRxJSを使ったことあるかい?」

私「ないです」

面接官A「あ、そう?すごくパワフルな道具だから試してみるといいよ」

面接官B「Styled Componentは使ったことある?」

私「ないです」

面接官B「これは今後主流になっていく技術だと思うんだ。試してみるといいよ」

 

みたいなやりとりがあったんですが、その時「Redux sagaとSCSSがあれば似たようなことできるじゃん…ほんとにそいつら覚えないと駄目なの?」と、自分がJavascript疲弊症を患っていることを自覚しました。そしてこの面接の後、プログラマになって初めて「ウェブ開発って、思ってたほど良い仕事じゃないかも」と少しだけ感じてしまいました。

Javascript疲弊症(これ全部覚えなきゃあかんの…と感じたあなたはJavascript疲弊症。画像は上述のリンクより)

 

ライブラリやFWは日進月歩の速さで新しいものが出てきます。そして(個人的な印象ですが)フロントエンド開発はとりわけこの傾向が強いです。新しいものを覚えても、それより遥かに洗練されたやつがほんの数年で出てきます。

収入を上げたかったら収入の高い所に転職すればいい。その為には技術のキャッチアップが欠かせない。で、転職先が見つかったら一瞬だけ幸せになり、しばらくしてもとの「もっと稼ぐためには新しい何かを覚えなくては…」状態に戻る。

「それって典型的なラットレーサーじゃないか。俺、残りの人生をずっとこんな感じで過ごしたいか?」

そのドイツの会社の面接後、そんなことを考えて少し憂鬱になってしまいました。

 

その一方、エストニアの方の肩書はSoftware engineerで、バックエンド開発に加えてDevOps関連の業務もやらせてくれるようでした。自分は近い将来DevOps・インフラよりのフルスタック開発者になりたいと思っていたんですが、DevOpsもインフラも経験が乏しい分野なんで仕事のチャンスを見つけるのに苦労していました(DevOps・インフラに興味がある理由は割愛)。なので技術スタック的にはエストニアの会社の方がずっと魅力的でした。

 

結論

数日考えた結果、元の予定通りエストニアへ行くことにしました。年収が高い方のオファーを断るのは勿体無いような気がしますが、もうフロントエンド開発にそれ程モチベーションを保てないのです。

自分は今年でプログラマ6年目なんですが、「モチベーションを保てない」と感じたことは今までありませんでした。1年目はただ先輩エンジニアに食らいついていくのに必死でした。2~3年目は勉強すればするほど新しいことができるようになっていき、それを純粋に楽しめていました。その好循環はポーランドに来てからも続いていました。それが最近になって「この分野は続けられない。何かを変えなくては…」と思うようになりました。

それに加えて、ベルリン(そのドイツの会社が建っている街)だとタリン(エストニアの会社が建っている街)よりも家賃がずっと高いみたいなんですね。だからドイツの会社を選べば手取りが年38万円増えても、その大部分が家賃で相殺されるんじゃないかという気がします。それなら技術的にずっと面白そうなエストニアの会社を選ばない理由はないわけです。

(ちなみにベルリンとタリンの物価の差はここで調べました:リンク

 

と、そんなわけで前回宣言した通りエストニアへ引っ越す準備を進めています。

ポーランドとエストニア間では現在飛行機が飛んでいるんですが、エストニアの空港に着いた後にコロナの検査を受けなくてはならず、そこで陽性が出たらポーランドへ強制送還されるらしいです。現在ポーランドでは一般の旅行者のホテル宿泊が規制されており、もしエストニアでのコロナ検査で引っかかったらポーランドでホームレスになりそうです。少し怖ろしい話ですが、ブログのネタ的にはおいしいかもしれません。もし自分がそうなってしまったら笑ってやってください。

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