キャリア

プログラマ1年目の恥ずかしい思い出

プログラマ1年目の恥ずかしい思い出

ポーランドの職場で働き始めて3ヶ月が経ちました。それはつまり試用期間が終わった訳なので、「君クビね。明日から来なくていいよ!サヨナラ!」みたいな具合に、クビを言い渡されて即退場みたいな事が起きる可能性は無くなったわけです。

「オーストラリアで働きだした頃ってどんな感じだったっけ…」

…と、3年半前にオーストラリアでプログラマとして働き出した頃の事をふと思い出しました。その会社とは私がソフトウェアエンジニアとして初めて働いた会社であり、ITの職歴を持たない外国人の私にチャンスをくれた場所でした。

「海外は日本よりも雇用規制が緩い」そんな話をよく聞いていたので、そこからオファーをもらった時は「何年もかけてせっかく手に入れたチャンスなんだ、絶対にクビにはならんぞ」と意気込んでいたのをまだ覚えています。

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私が働いていたそのオーストラリアの会社とは、受託開発をしている小さい会社でした。
勤務が始まって2ヶ月くらい経ったある日、注文されたサイトが出来上がったのでいざデプロイ(=ウェブサイト・ウェブアプリをネットワークを通じて利用可能にすること)という時に。

 

ボス「よーし、じゃあデプロイしてみようか。ドメインはこれでなんたらかんたら…。SSHサーバはもう設定したかい?」

…SSHとは?

私「SSHとは何でしょう?」

ボス「SSH、知らないのか?」

私「知りません」

ボス「学校で習わなかったの?」

私「(考えた後)…習ってないです。」

 

(しばし沈黙)

 

ボス「大学院にいた頃、PHPでウェブ開発のプロジェクトをしたって言ってなかった?」

私「しました」

ボス「どうやってデプロイしたの?」

私「デプロイはプロジェクトを指導してくれた教授がしました。『君はコードとテストとドキュメントだけ書いてくれりゃいいよ』、とのことだったので」

 

(また沈黙)

 

ボス「…じゃあSSHサーバの設定はググって見つけてくれ。それ必要だから」

私「はい」

 

(数分後)

 

ボス「Cyberduckはもうそのマックにインストールされてたかな?」

私「わかりません。Cyberduckとは何でしょう?」

ボス「Cyberduckって、マックでFTPを使ってファイルを転送するためのソフトさ」

 

…FTPとは?

 

私「FTPとは何でしょう?」

ボス「FTPも知らんのかい?」

私「知りません」

 

(また沈黙)

 

ボス「学校で習わなかったの?」

私「(しばし考えた後)…習ってないです。」

簡単に言うと、SSHとは暗号の技術を利用してネットワーク上で繋がっている別のコンピュータと安全に通信するための技術。FTPとはネットワーク上でファイルを転送するためのプロトコル(=決まりごと)。

それから数週間後。

ボス「君の試用期間が終わるから、俺と○○(リード開発者の先輩)からこの期間中のフィードバックをしたいんだ。明日はランチをしながらその事について話そう」

私「はい(ってことは、ここで今後も働けるかどうかが明日言い渡されるのか…)」

翌日のランチ休憩時に向かった先は、日本人が経営している、ブリスベンのとある和食レストランでした。

ボス「さて、君の試用期間は終わりだ。なので正式に君をフルタイムの社員として迎えたい。」

やったー、と心の中でガッツポーズをしたのも束の間。

ボス「でもさ、君の学歴はミスリーディングだな。大学院を出てるのにFTPとSSHを知らなかったことには正直驚いたよ。今後、もっとたくさんのことを覚えることになるだろうから、そのつもりでいてくれ」

この日のボスとのやりとりは、3年後の今でもよく覚えています。

オーストラリアに来るまで、私は文系の学部を出て不動産関係の仕事をしていた人間です(自動車工場で肉体労働をしていた頃もありますが)。なのでいくら自分がITの修士を持っていても、ITやCSの学部を出てエンジニアとして働いている同世代の人間からは、何周も先をいかれていることは知っていました。

「学歴がミスリーディング」と言われた時、心に去来したのは「ちくしょー、スキルを磨いてこいつを見返す!」といった悔しさと、「言われなくても知ってたさ、俺の学歴がハリボテだってことぐらい…」という悲しみが入り混じった感情でした。

その後どうなったかは、このブログで過去に書いた通りです。その会社には合計で丁度3年間お世話になりました。勤務3年目の頃には1万ドル以上負担してもらい、就労ビザを更新してもらえるくらいにはなりました。スタート時点ではボスをがっかりさせてしまいましたが、途中からはちゃんと戦力になったかな、と思っています。

あれからもう3年経ってたのか…

こんな私を3年も雇ってくれた以前のボス、ありがとう。あなたの所で得たウェブ開発の技術を磨き続けることで、私は今後も色んな国で色んな国籍の人達と働いていきたいと思っております。

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