今から1年前、インデックス投資を始めました。
過去の記事の中でも書いたんですが、自分みたいに居住国を転々とするようなキャリアを選んでしまうと老後になってから政府からの年金に頼って生きていくという選択肢は選べません。
「転職と海外移住を繰り返す今のキャリアを継続しながら、老後の為の資産をどう作るか?」というこの問題について自分なりに調べまくった結果、私が辿り着いた回答が『海外から利用できる証券会社で証券口座を開いてそこからインデックス投資をし続ける』でした。

で。今日はお金の話が大好きな皆さんの為に、自分の資産が1年の間どう増えていったかを具体的な数字を使って包み隠さずお話しします。
資産の変動
現在、私がインデックスで運用している資産の合計は30,725ユーロです。この話を書いている時点だと1ユーロが125.59円なので、日本円にすると385万587円ってところです。

私はインデックスで運用している資産以外にも当然現金の貯蓄を持っています(現金の額は非公開)。30,725ユーロ+現金が私の全財産です。
月々の積立額
積立額 | 積立額(円換算) | |
2021年3月 | 500€ | 62,794円 |
2021年4月 | 17,000€ | 2,135,019円 |
2021年5月 | 0€ | 0円 |
2021年6月 | 0€ | 0円 |
2021年7月 | 1,000€ | 125,589円 |
2021年8月 | 1,500€ | 188,384円 |
2021年9月 | 1,500€ | 188,384円 |
2021年10月 | 1,500€ | 188,384円 |
2021年11月 | 1,500€ | 188,384円 |
2021年12月 | 1,500€ | 188,384円 |
2022年1月 | 1,500€ | 188,384円 |
2022年2月 | 1,500€ | 188,384円 |
去年3月に証券口座を作った後、「実験的に…」と思ってまず500ユーロだけ投資。4月にオーストリア時代に作った貯金全部を投資。5月と6月はちょっと大きい買い物をしてしまったので投資額は0でした。その後毎月の余剰な給料を積み立てていき、1年間で合計29,000ユーロ(364万2092円)の現金を積み立てました。
ちなみに5月と6月には何があったかというと…
- 5月には歯の矯正が終わったのでアタッチメントの除去、歯のホワイトニング、リテイナーの購入なんかで出費が嵩んだ。あとこの時はまだ会社の試用期間中だったので現金の預金残高をもう少し増やしたかった。
- 6月には前から興味があった一眼レフを買った。旅行中に良い写真を撮りたかったので。(でももうあのカメラ使ってないんだよね…売ろうか?)
1年間投資をしてみた感想
投資家デビューをしてみた感想を書いてみます。
1:インデックス投資は地味
現金をインデックスに替え続けて、この1年間どれだけ利益が出たんでしょうか。
30,727ユーロ-29,000ユーロが1,727ユーロなので、投資で得た利益は日本円にすると約21万6800円。30,727÷29,000が1.059なので、割合にすると現金の5.9%。
「たった21万円かよ…」と思っている人もいるでしょう。正直、自分も少しだけそう思っています。でもいいんです。インデックス投資は短期間でお金持ちになりたい人が取る選択肢ではないということは承知していました。
高校~大学生の頃に”投資”という言葉を聞くとリスクを取って大きく金儲けをする手段だと想像していたんですが、インデックス投資は違います。複利の力で時間をかけてお金を膨らませていくものなのです。
2:インデックス投資は楽
インデックス投資は楽です。どの銘柄を買うか決めたらあとは余った収入で同じ銘柄を買い続けるだけ。市場価格が上がろうが下がろうが、無心で買い続けるだけなのです。
もし自分がインデックスではなく個別株を買うことになったら…

…この画像の人みたいに、パソコンを電源を点けては株価を見て、市場の動向に一喜一憂し、仕事が全然手につかなくなってしまう気がします。インデックス投資は本業に集中しつつ、それでいながら余剰収入を効率よく運用したい人にお勧めです。
で、自分はどのインデックスに、そしてどのETFで投資をしているかと言うと…
私がMSCI Worldに投資している理由
私がこの1年間投資し続けたのはインデックスはMSCI Worldというインデックスです。

MSCIというアメリカの会社が算出しているインデックスで、23の先進国の1,539の企業が対象となっています。つまり、このインデックスに投資し続ければこれらの国々の代表的な企業に分散投資ができる訳です。
MSCI Worldに似たインデックスでFTSE All-Worldというインデックスも存在します。そちらは(現時点で)47か国・3,100企業の株価から算出されたインデックスです。
MSCI WorldとFTSE All-Worldの主な違いは、MSCI Worldは(名前に”World”が入っているにも関わらず)先進国のみが対象である一方、FTSE Worldは新興国の企業の株も含まれている点です。
私はMSCI Worldを選びました。理由は…
- MSCI Worldの方がアメリカの企業の割合が高く、戦後ずっと株式市場で世界をリードしてきたアメリカの市場に投資の比重を大きくしたかったから
- それに加えて、このブログで何度か紹介してきたMillionaire Expatという書籍でもどこの国でリタイアするかまだ決まっておらず、なおかつシンプルに分散投資したい人にお勧めだと紹介されていたから
もしあなたが先進国だけでなく新興国にも投資したいなら、FTSE All-Worldを選ぶか、あるいは以下のインデックスに組み合わせて投資すると良いでしょう。
- MSCI World + MSCI Emerging Markets
- FTSE Developed World + FTSE Emerging Markets
私がiShares Core MSCI World UCITS(IWDA)を買い続けた理由
様々な投資銀行・資産運用会社がMSCI Worldを対象としたETFを提供しています。その中で自分が選んだETFはiShares Core MSCI World UCITSでした。
iSharesとはBlackRockと呼ばれる資産運用会社が提供しているETFのブランドです。このBlackRockという会社は(Wikipediaによれば)世界最大の資産運用会社だそうで、「それならここを選んでハズレはしないだろ」という単純な理由で私はこの会社が出しているETFを選びました。
(ちなみにさっき紹介したMillionaire Expatの中でもiShares Core MSCI World UCITSはインデックス投資をしたい海外在住者にとってお勧めのETFとして紹介されています)
iShares Core MSCI World UCITSは以下の図の通り米ドル・ユーロ・ポンド・ペソ(メキシコ)で販売されており、合計7つの取引所で売買されています。

私は初めてこれを見た時「え???どれを買えばいいの?」と困惑したんですが、どこの取引所で買ってもインデックス自体に変わりは無く、そしてティッカーが違っても売られているETF自体に変わりは無い事がわかりました。私が最終的に選んだのはオランダの市場で売られているIWDAです。ドイツで売られているEUNLやイタリアで売られているSWDAでも良かったんですけどね。
今後もMSCI Worldに投資し続ける?
今後も毎月の余剰収入をMSCI WorldのETFに替えて投資し続け、政府からの年金を貰わなくても(貰えなくても?)安心してリタイアできる準備を続けていく所存です。
…が、今後もMSCI Worldだけに投資するつもりはないです。株のインデックスは値動きの幅が比較的大きいため、リタイアした直後にインデックスの価値が大きく下降してしまうリスクがあるのです。
そこで、今年からはMSCIのETFに加えて国債インデックスも買っていきます。自分は今35歳で別に早期リタイアしたいとも思ってないです。とりあえず30代の間は流動資産の内MSCI Worldが7割、国債インデックスが3割くらいの割合を保持したいなと。
以上、30代男の投資1年目の記録でした。来年の3月になったら似たような話を書こうかな?

いつもブログ拝見させてもらってます。
Interactivebtokersを利用されているとのことですが、高橋さんみたいにいろんな国に住まれてる方は株で得たキャピタルゲイン等はその国々に支払われているか気になりました。
よろしければご回答お願いします。
りおさん
こんにちは。
私はまだ株を売却して利益を出したことが無いので、キャピタルゲインに課せられる税金は払ったことが無いです。
ちなみに、私が買っているETF(iShares Core MSCI World UCITS ETF)の銘柄は配当金が自動で再投資されるタイプです。再投資されるのは配当金から税金が引かれた金額なのですが、その自動で再投資される配当金にかかる税金はBlackRock(そのETFを提供している資産運用会社)が私の税金に関する状況を元に払っているようです(iSharesのウェブサイトによれば)。
返信ありがとうございます。
税金に関してはプラットフォーム上で居住地を選択すると、それを元に再投資にかかる税金を高橋さんが今居住している国に払っているという認識であってますか?
りおさん
正確に言うと、プラットフォーム上で居住地として選んだ国というよりかは、Tax residentとして住んでいる国に私が所得の額を報告することになります。Tax residentとは主に所得税を払いそれを申告する国です。自分が現在居住している国でTax residentになるかどうかは国によりけりです。例えばチェコだと1年の内183日以上住むとその年はTax residentとみなされるので、翌年所得を政府に申告する義務が生じる…と会社の人事から教えてもらいました。私は去年183日以上チェコに住んだので、今年はETFで生じた利益を報告することになっています。