(トップ画像は勤め先のそばにある公園で撮った写真です。天気が良い日はあの緑のテントの下で大人たちが昼からビールをかっ喰らっています)
今の勤め先での試用期間が終わりました。
自分が今の会社に入ったのは7月1日であり、本来は9月末まで試用期間が続くはずでした…が、金曜にマネージャーから「俺、来週から休暇に入るから、9月の末はオフィスにいないんだよね。だから君の試用期間は今日で終了ってことにしておく」との連絡があり、予期していない形で試用期間を乗り切れました。(なんて緩い管理職…)
入社してからは特に問題なく業務をこなせてました。なので「10月に入る前にクビとか言われたらどうしよう」みたいな不安は特に抱えてなかったんですが、正式にこの会社の一員として認められたと知った時はやっぱり少しだけホッとしました。こっちはビザを会社から補助してもらってる身なんで、リストラは国外退去とほぼ同異義語なのです(聞いたところによれば、正確には60日以内に新しい雇用者が見つかればチェコに滞在し続けてもいいらしいのですが)。こっちは1年間のアパート契約をしたんで、それは何としても避けたかったんです。
で、今日はこれまでの近況を書きます。
別のチームに異動させてもらった
今の会社に勤務しだしてから約1か月後、このブログでこんな話を書きました。
「同僚の仕事が雑」
「テストを走らせると無駄なエラーメッセージが大量にプリントされる(けど誰も特に気にしてない模様)」
「効率よくデバッグする方法を誰も知らない(…みたい)」
「ここに来たのは正解だったんだろうか?と若干途方に暮れている」

この話を書いた約1か月後の事でした。このチームのPM(注:プロジェクトマネージャーの略)が「1ヶ月だけ、別のチームに行ってみない?」と提案してきたんです。別のチーム間で知識を共有しあうことが目的らしく、希望者がいたらその人から優先して異動させるとのこと。で、その別のチームが何をしているか聞いたところ、AWSのサーバーレス開発をしているのだと。
「異動したいです!」
と即答しました。上記のリンク先の話にも書いた通り、自分がこの会社の来た理由の一つはAWSを使った開発経験を積みたかったからなんです。有名企業の開発職だとクラウド技術を使った経験はよく必須要件に入っています。それほど有名な企業じゃなくても、”Senior software engineer”とか”Lead software developer”みたいなポジションになると、求人概要に『クラウド技術を使った経験必須(or歓迎)』みたいな文言が書かれてるのをこれまで何度も目にしてきました。なので、今後のキャリアの為にどうしてもAWSを使った職場で職歴を付けておきたかったんです(GCPやAzureでもよかったんですが、転職市場で一番人気があるのはAWSですし)。
自分が一番初めに配属されたチームではReactを使ったフロントエンド開発、およびNode.jsを使ったバックエンド開発をしていました。AWS関連の業務をする機会は一度もありませんでした。「これじゃ前職の延長やんけ…俺ここに何しにきたんだろう?」と不満が募っていたところに異動話が来たのです。
で、新しいチームでは当初の期待通りAWSを使いながら仕事をさせてもらってます。配属してすぐに「これ、俺らのチームが絶対に今のスプリントで実装させないといけない機能なんだ。わからないことがあったらリーダーの〇〇に訊いてね」と前任者からと業務をパスされ、それから大急ぎでServerlessのドキュメントや社内のAWS用の学習リソースを使って関連技術の概要を頭に叩き込みました。短期間で新しい技術を覚えなくてはならないことには結構プレッシャーを感じました…が、とりあえず現時点ではついてこれています。今でもServerlessやAWSについてはわからないことがたくさんあります。日々勉強です。
PM曰く、「新しいチームが気に入ったらずっと居ても良いし、元のチームに戻ってきたくなったらそれも構わない。1か月後にどっちのチームで働くかは君次第だ」とのこと。現時点では今のチームに居続けるつもりです。
…とまぁそんな感じで、入社直後はこの会社に来たことを少しだけ後悔し始めてたんですが、別のチームに予期せぬ形で異動してからは仕事に対する満足度は大きく上がりました。
1年後もプラハに居たいか?
上記のリンク先の記事でこんな事を書きました。
正直今のプロジェクトと同僚には不満です。でも1年ここに勤めたらとりあえず「AWSでウェブ開発したことあります」と言えるでしょう。だからそれまでは修行のつもりで労働します。
ちなみに1年後もプラハに住み続けるかどうかはまだ未定です。とりあえず今のところはこの街の生活を全然楽しめてないです…が、まだ1ヶ月しか経ってません。なのでもうしばらく経ったらそれまでの暮らしを振り返ってみようと思います。
この話を書いて2か月ほど経った今、改めてプラハに1年以上居続けるかどうかについて振り返ってみました。現在の心境としては…プラハに1年後もいるかどうかは次にどんな会社に転職できるか次第かな、といった感じです。さっき「仕事に対する満足度は大きく上がりました」と書いたばかりなのに、自分はもう次の会社に行くことを考えているのです。なぜかって?給料を上げるのが好きだからです。
今の会社からはプラハ市内で生活するには十分な賃金を頂けてるんですが、「俺、今の給料と業務内容で満足していいんだろうか」とここ数カ月よく疑問に思うのです。私はこの職業が好きです。だからこそ自分が職業人としてキャリアの梯子をどれだけ高く登れるか挑戦しなきゃなぁと。平たく言えばもっとでかい会社・イケてる会社に入って、高給をもらいつつ凄い技術者たちと切磋琢磨したいのです(「こいつ意識高い系だな」、とか言わないでね)。
が、「職業人としてキャリアの梯子を高く登りたい」と言っても、ベルリンやアムステルダムのような西欧の首都と比べると、プラハ市内でのIT企業の数はどうしても見劣りしてしまうんですよね。
プラハではMicrosoftがソフトウェアエンジニア職を募集しています。このlevels.fyiとよばれるサイトによれば、現在プラハのMicrosoftのソフトウェアエンジニアの年給はベース賃金だけでUS$85,714、ボーナスなどを入れた場合はUS$126,428なんだとか。日本円だと今日の為替レートで年給1,800万円以上(!)、チェコの平均年収の6倍ってところでしょうか。

ただしLinkedInやGlassdoorやLevels.fyiで調べた範囲だと、入社したら収入を大幅(最低でも今の40%以上)に上げられそうで、尚且つ自分の技術スタックと関連した開発職が存在する企業はチェコ国内だとMicrosoftを入れると3社くらいしかないみたいなんです。
「選択肢がたったの3つしかないとなると、次の転職先はベルリンやアムステルダムみたいなもっとでかい街で探した方がいいんだろうか?」
…と思ってしまうんですが、ドイツもオランダも所得税がチェコより遥かに高いのが気掛かりです。自分にとっては税金は国に対する投資みたいなものです。なので永住するつもりのない国にたくさん税金を払うことにどうしても抵抗を感じてしまうのです。現金な人間でごめんなさい。それに所得税だけでなく物価(特にアパート代)もずっと高くなるでしょうしね。
それに加えて、「違う国での生活を体験したい」という欲求が年々低下しているのを感じます。この時書いた通り、チェコに来たばかりの頃は言葉で苦労したり慣れないことが多すぎて結構心細い思いをしてました。ブログでは書かなかったけど、実はポーランドやエストニアに移住した初めの数週間も結構ストレスが溜まってたんですよ。「別の国へ行くとなると、俺はまたあのつらい思いを繰り返すのか…」と想像と気が引けてしまいます。なので、チェコから出るとしたら、給与が大幅に上昇し、尚且つ事業内容に純粋に興味を持てる会社からオファーを獲得できた場合だけ考えようと思います。
チェコで高給取りを目指すか、それとも別の国でもっといい仕事を探すか。いずれにせよ、1年後以降にもっと良い仕事を獲得するためにまた明日からコツコツとコードを書いていきます。