キャリア

サービス残業を正当化させる上司を見返したかった

負の感情を利用しろ

新社会人になった年からちょうど10年経った事にふと気付きました。

私は日本でも会社員をしていたことがあります。当時の会社員生活を振り返ると、中高年の偉い人たちから異口同音に発せられたある台詞を必ず思い出します。

俺がお前の歳の頃は、お前よりも意地悪な人間に囲まれ、お前よりも残業していたんだ

「俺がお前の歳の頃は、お前よりも意地悪な人間に囲まれ、お前よりも残業していたんだ」

私が日本で勤めていた職場は、ブラック企業とまで言うほど苛酷な労働を社員に強いる職場ではありませんでした。が、サービス残業が常態化しており、事務社員以外が有給を取るのは難しい場所でした。

そんな環境で、大して職場の戦力になってるわけでもないのに、私は生意気にも入社1年目から偉い人達に「サービス残業は間違っている」といった主旨の発言を遠回しにしていました。

例えば…

「月に一度、ノー残業ウィークを設ける」と職場の偉い人達が決めたら「でも私たちの仕事量自体は増えていく一方ですよね?それじゃただ前後の週にしわ寄せがいくだけでは?」と直属の上司に尋ねてみたり、

「休みの日も会社からの電話に応答するのが社会人の常識だよ」と言われれば「でもその分の残業代を申請したら、○○さんが「これ以上申請するな」っていいますよ。つまりサービス残業しろ、ということなのでしょうか?」といった具合に返してみたり。

中高年の方々からすれば(当然ながら)私のような社員は目障りだったらしく、私はそういった方々から職場の飲み会でしばしばお咎めを頂いたのでした。「俺がお前の歳の頃は、お前よりも意地悪な人間に囲まれ、お前よりも残業していたんだ。(だから生意気言わずに働いてりゃいいんだよ)」と。

この記事を書いている現在、「上司の方々、こんな生意気な若僧の相手するの、さぞ嫌だったろうなぁ」、などと感じています。それでも当時の私にはサービス残業を正当化されている環境を受け入れられませんでした。「雇用契約書に『残業代が出るのは月○○時間まで、それ以降は手当なし、だって新卒は使えねーから』とか書いてくれよ、そっちの方が受け入れやすいよ」、と。

繰り返しますが、私がいたその会社とはブラック企業と呼べる程に残酷な会社ではありませんでした。程度の差はあれど、サービス残業がある会社なら日本中にたくさん存在するでしょうから、特別この職場が酷い職場だったとは思いません。

それに一応オーストラリアにもサービス残業はあるんですよ(過労死はさすがに聞いたことありませんでしたが)。これについてはまた後日。

転機

「この環境で働き続けても何も変わらない…何かを変えなきゃいけない…」

そう感じていた社会人2年目の頃、杉本良夫さんというオーストラリア在住の日本人教授の方の本を発見し、海外で働くことに興味を持ったのです。(詳しくは一番初めの記事にて)それから本やネットで海外で働くことについて調べ漁りました。かの有名な(悪名高い?)『ニートの海外就職日記』も読みました。

しばらくした後、私は留学の準備を始めました。自由な時間はほぼ全部英語の勉強に充て、「留学資金が早く貯まりそうだし、英語の勉強時間を増やせそうだから」という理由で会社員を辞めて自動車工場で働き始めました。その頃、彼女がいないのはもちろん、職場の方々との交流も皆無でした。

当時の私を動かしていたのは、本やネットで知ったオーストラリアという国への純粋な興味だけではありませんでした。それは…

「俺がお前の歳の頃は、お前よりも意地悪な人間に囲まれ、お前よりも残業していたんだ」なんてもう誰にも言わせたくないという反骨精神、

「俺はこのまま人生を終えてしまうのか?」という焦燥感、

そして「”サービス残業は間違っている”と発言しても誰からもケチをつけられない社会はきっとどこかに存在するはずだ」という(ひねくれた)希望でした。

で、その後どうなったかは、このブログでこれまで話してきた通りです。オーストラリアでITの修士を取り、現地で職を得る事に成功し、(ほぼ)毎日定時退社して残業を完全に消化できる生活を得たものの、会社に行くこと以外にオーストラリアにいる意義を見出せなくなり、興味本位で某企業のポーランド支社に流れ着き、現在に至ります。

サービス残業をするのは社会人の常識ではない、けど…

さて、ここまで日本での会社員時代を振り返り、

「サービス残業は社会人の常識?今の俺は毎日定時で帰ってるぜ!やっぱり俺は正しかったじゃねーか!」

といった感情は覚え・・・ません。微塵も覚えません。

なぜって?それは、海外で働けるようになるという目的を達成するのにお金と時間がかかりすぎてしまったからです。私は海外旅行が好きだったのでこの道を選んだことをそれほど後悔してませんが、「ワークライフバランスのとれた生活を送るのが目的だけど、異国での生活なんて微塵も興味も無いよ」という人にはとっては、この選択肢はあまりにも非効率的です。

(それに加えて、当時の上司の方々は何年も前に辞めていった一社員のことなんて覚えてないでしょうし、その方々からなんて思われようと私の現在の生活には何の変化も生まないでしょうから。)

海外で働くという選択肢は、ワークライフバランスの取れた生活を送るための数ある選択肢のたった一つにすぎないないのです。ワークライフバランスの取れた生活を送りたいと願っている人はきっとたくさんいるでしょうけど、(ただそれだけが目的の人に対して)私は安易に海外で働くことは勧めません。次回の記事でこれについてもっと掘り下げて話します。

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