お金・投資

海外移住したいけど年金が不安ならインデックス投資を始めよう

先月、人生で初めて証券口座なるものを作ってみました。インデックス投資ってやつを始めるため、そして政府からの年金に頼らずに老後に必要な財産を今から作るためです。

 

(私のポートフォリオは現在こんな感じ。試験的に…と思って500ユーロだけ運用してみた所です)

 

今日は

  • なぜ私がインデックス投資なんぞ始めたのか
  • インデックス投資とは何か
  • でも投資って危なくないの?

といった話を書きます。「海外移住に興味があるけど、老後の資産をどうしよう?」とお悩みの方の参考になれば。

本題に入る前に:海外移住したいなら、老後の資産は自力でどうにかするしかない

2年前、オーストラリアから日本へ一時帰国した時にこんな話を聞きました。日本ではここ数年、「政府からの年金だけを頼りにはできない」と、積立NISAやiDeCoと呼ばれる個人向けの年金を利用している人が増えていると。

しかし、もしあなたが海外移住に興味があり、なおかつ色んな国に住んでみたいなら、そういった資産運用法は選択肢から除外されますなぜなら、

  • 積立NISAは5年以内に日本へ帰ってこないと口座を保持できない
  • iDeCoの加入条件は国民年金を払っていること、そして日本国内に居住していること

といった制限があるからです。(参考文献

それに加えて、あなたが海外で見つけた勤め先が雇用者向けの年金を積み立ててくれる場合でも、あなたが長期間そこにいなければ大した額にはならないでしょう。

私の例を挙げます。私はオーストラリアで3年、ポーランドで約2年会社員生活を送りました。どちらの場合も会社が私の年金を積み立ててくれていましたが、2~3年程度では当然ながら大きな額にはなりませんでした。おまけに、オーストラリアでの年金は引退前に取り崩したためにその大部分が税金で削り取られてしまいました

結果として、私のような国際的な根無し草は、日本で働く日本人と比べて老後お金に困る可能性が高いのです。

1月に書いたこの記事で触れたとおり、私はオーストラリアを去って以降この「年金どうするのさ問題」で度々悩んでいました。

「取り返しがつかなくなる前に、この問題と向き合わないと」

焦った私は資産運用の本をAmazonで何冊も買って読み漁りました。結果、私が辿り着いたこの問題に対する回答がこれでした。

 

  1. 海外から利用できる証券会社で証券口座を開く
  2. 世界中の市場を表すインデックスに投資できるインデックスファンドかETFを使って、毎月の余剰収入を投資し続ける(注:インデックスやインデックスファンドが何かについては後ほど解説します)
  3. 総資産が生活費25年分に達するまで投資を継続する(あるいは、25年分の生活費が総資産を下回るくらい物価が低い国へ行く)

 

前置きが少々長くなってしまいました。以下が今日の本題です。

なぜインデックス投資を始めたのか

複利の効果を使って資産を増やす為です。

まず「複利ってなんやねん」と思っている方の為に、複利が何なのかを説明します。(インデックス投資が何なのかについては後ほど。)

複利とは

複利とは利息の計算方法の一つです。利息が別の利息を生み、時間が経つほど利息の総額が大きくなっていくことを複利の効果と言います。(参考文献

 

想像してみてください。

あなたは証券口座を開き、その口座からある投資信託(株や債券のような金融商品の一種)を毎月8万円分買い続けましたとしましょう。その投資信託は年間平均で7.5%の利息を生み出します。そしてその投資信託から得た利息は、翌月に同じ投資信託を買うことで再投資するのです。

すると、上の図のように、あなたの総資産は29年2ヶ月後に1億円を超えます。現金の積立額は2,800万、総資産の3分の1以下です。(注:この例では複利の効果は4半期ごと、つまり1年に4回発生すると仮定しています。)

注:この例でリターン率を7.5%にした理由は、メジャーな指標であるMSCI World Indexが過去10年で年間平均リターン率7.71%を記録していたからです(参照元)。他にも参考になる指標はありますが、それはまた次回以降の記事にて。

上の図の運用収益(茶色い部分)の伸び具合に注目してください。5年目くらいまでは見えないくらい小さな伸びしか記録しなかったのに、途中から積立額を上回り、最後には総資産の3分の2を超えています。

どうしてこんなことが起こるのでしょうか?答えは、複利で得られる収益とはこれまで積み立ててきた資産を元に計算されるため、総資産が増えれば増えるほど翌年の複利の収益も大きくなっていくからです。

え?「言葉だけではわかりにくい」?じゃあ別の例を挙げてみましょう。

以下の表は年間5%の利息(運用収益)を生む金融商品を1万円分買い、10年間ほったらかしておいた場合、複利の効果でその価値がどう変化するかを計算したものです。

運用収益 合計運用収益 総資産
0 ¥10,000
1 ¥500 ¥500 ¥10,500
2 ¥525 ¥1,025 ¥11,025
3 ¥551 ¥1,576 ¥11,576
4 ¥578 ¥2,155 ¥12,155
5 ¥607 ¥2,762 ¥12,762
6 ¥638 ¥3,400 ¥13,400
7 ¥670 ¥4,071 ¥14,071
8 ¥703 ¥4,774 ¥14,774
9 ¥738 ¥5,513 ¥15,513
10 ¥775 ¥6,288 ¥16,288

運用収益に注目してください。1年目は500円しからなかった収益が、翌年は525円、3年目は551円…と少しづつ大きくなっていくのがわかりますか?運用収益は前年の総資産に収益率(この例だと5%)をかけることで計算されます。総資産が増えれば増えるほど翌年の複利の収益も大きくなっていくとはこういうことなのです。

このように、資産から得た収益をその資産に再び投資することで、その収益が新たな収益を生んでふくらんでいくのです。そしてその資産を長期間持てば持つほど、複利の効果は大きくなっていきます。

資産が1億円あれば、あとはそれを4~5%位で運用することで年間400~500万円手に入ります。(配当税と物価がもの凄く高い国に住んでいない限り、)それだけあれば年金なんてなくても生きていけるでしょう。そしてあなたの移住先が物価が低い(できれば配当税も低い)国なら、1億円も作る必要ありません

 

会社員としての収入 × 複利 × 時間 = たくさんのお金

どうですか?悪い話じゃないでしょう?

 

「でも29年て長すぎじゃない?」

と思っている人もいるかもしれません。

「俺、今年で35歳なんだけど、50までに1億作るにはいくら投資しなきゃいけないの?投資期間が半分(29年→15年)になるから、その2倍の金額を毎月投資すればいいのかな?」

違います。答えは3.625倍(月29万5000円)です。

 

複利の効果とはこれまで積み立ててきた金額を元に計算されます。その為、月の投資金額を2倍にしても、リタイアしたい年までの時間は単純に2分の1にはなりません。(←この説明に納得できない方、上の表をもう一度見て運用収益の数字がどう変化しているか観察してください。)

複利の効果は『早期リタイアを狙っている人』や『一攫千金を夢見ている人』ではなく、『大きなリスクは取らず、時間をかけて資産を大きくしたい人』に向いています。そして、複利の効果を狙って投資をするなら、投資の開始は早ければ早いほど良いのです。

格言にもある通り

投資を始める最も良いタイミングは昨日だった。次に良いタイミングは今日である。(The best time to start investing was yesterday. The second best time is today.)

https://www.myownadvisor.ca/the-best-time-to-invest-was-yesterday

という訳なのです。

それでは話を複利からインデックス投資に戻しましょう。インデックス投資とは一体何なのでしょうか。

インデックス投資とは何なのか

インデックス投資とは、世界中に分散投資したインデックスファンド(あるいはインデックスを追うETF)を積み立て投資して長期間保有することです。インデックスとは株式市場の動きを表す指数です。(例:日経平均株価)インデックスファンドとは投資信託の一種です。

投資信託とは

投資信託(ファンド)とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用のプロであるファンドマネージャーが株式や債券などに投資・運用しその運用の成果として生まれた利益を皆さんに還元するという金融商品です。

楽天証券のウェブサイトより引用)

お金は銀行に預金しておけば減りません。一方、投資信託は運用がうまくいかなければ価値が下がります。そして運用がうまくいけば価値があがります。

例えば、あなたが100万円を投資信託に替えたとしましょう。もし運用がうまくいかなくて投資信託の価値が90万円に下がった場合、損をするのはあなただけであり、ファンドマネージャーは何も損をしません。(←注目!)一方、運用がうまくいって信託の価値が110万円まで上がったら、利益は全てあなたのものです。

インデックスファンドとアクティブファンドの違い

投資信託にはインデックスファンドとアクティブファンドの2種類があります。

インデックスファンドは特定の指数(インデックス)と投資信託の値動きが一緒になるよう運用されています。

例えば、ニュースで日経平均株価という言葉を目にしたことはありませんか?あれは日本国内の代表的な企業225社を選び、それらの株価を平均にした指数です。もしあなたが日経平均株価と一緒の値動きになるインデックスファンドを買ったら、日経平均株価が1%値上がりした日にはあなたのインデックスファンドも同様に1%値上がりします。

一方、アクティブファンドは(日経平均株価のような)指数を上回る運用成果を出せるように、投資のプロ達が投資先や売買のタイミングを判断して運用されます

 

「投資のプロ達が投資先を選んでくれてるんだから、きっとアクティブファンドの方が良い結果を出しているに違いない」

と思う方もいるでしょうが、実際は違います。以下、投資ブロガー(兼作家)である水瀬ケンイチさんという方の著書からの引用です。

日本の大手投信評価会社であるモーニングスターの2015年の調査では、国内株式クラスのアクティブファンドのインデックスファンドに対する勝率は、1年で26%、3年で33%、5年で39%、10年でも32%しかなく、全期間をとおして20〜30%台の勝率しかありません。つまり、アクティブファンドの70~80%はインデックスファンドに負けているということになります

インデックスが市場の平均だとすると、アクティブファンドの勝率は50%程度になると思いませんか。だって平均なのですから。しかし、実際は70〜80%のアクティブファンドがインデックスに負けてしまうのです!

この傾向は日本だけでありません。世界的に同じ結果が出ています

世界最大の指数提供会社であるS&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズの2016年の調査によると、米国株式クラスのアクティブファンドのインデックスに対する勝率は、1年で15%、5年で8%、10年で15%しかなく、全期間をとおして10〜15%の勝率しかありません(日本経済新聞2016年9月16日号記事より)。

引用先:お金は寝かせて増やしなさい

インデックス投資をするなら、アクティブファンドではなくインデックスファンドを選ぶべきなのです。

インデックス投資はどう行うのか

まずはインデックスを選ぶところから始めましょう。

日本人にとって馴染みの深いインデックスと言えばTOPIX(東証株価指数)と日経平均株価の2つが挙げられるでしょう。が、私がお勧めしたいのはMSCI worldFTSE All-Worldといった世界全体の株式市場の動きを表すインデックスです。そうすることでより広範囲に分散投資できるからです。

(MSCI worldインデックスの推移)

 

投資の世界で「すべての卵を一つのカゴに盛るな」という格言があります。たくさんの卵を一つのカゴに持ってしまうと、もしカゴを落としてしまった時に全ての卵が割れてしまいます。一方、複数のカゴに卵を入れて運べば、一つのカゴを落としてしまっても他のカゴに入った卵は影響を受けない…というわけです。

投資においても同じことが言えます。日本経済は成長が滞っていると言われて久しい一方、世界経済は(1)世界恐慌、(2)リーマンショック、そして記憶に新しい(3)コロナショックといった混乱を経験しながらも、トータルで成長を続けてきております。世界全体の市場に分散投資をすることを勧めるのはそれが理由です。

インデックスを選び終わったら、

  • インデックスファンドを選ぶ
  • そのインデックスファンドを買える証券会社で口座を開く
  • 毎月余った給料でそのインデックスファンドを買う

…といった流れになります。

インデックスファンドやETFは一定期間(毎月、あるいは四半期ごと)に収益が出ます。(参考までに、私が買ったiShares Core MSCI World UCITS ETFは四半期ごとに収益が出て、その収益は自動的に再投資されます。)

あとはファンドから得た収益を翌月同じファンドを買うのに使い、そうすることで複利の効果を発生させ、総資産が目標額に達するまでファンドを積み立てていくのです。

(どのインデックスファンドを選ぶべきか、そしてどの証券会社がお勧めか…といったことについても書きたいんですが、記事が長くなりすぎてしまうのでそれらについてはまた次回以降書きます。)

インデックス投資って危なくないの?

…という疑問、私も持ちました。

日本で会社員だった頃、株で100万円以上を失った人が職場に居ました。その人は東電の株を持っていたそうですが、東日本大震災での原発事故が原因でその価値は暴落し、結果それだけの損失を被ってしまったのだと。

自分も株や投資信託なんかじゃなくて、もっと他に頼れそうな選択肢を選んだ方がいいんじゃないかって。

が、それでも私はこの資産運用法を信じることにしました。なぜなら、世界中の企業が滅びない限り、インデックスの価値は理論上無くならないからです。

上述のMSCIやFTSEといった指標は世界中の上場企業の中のトップ企業から成り立つ指標です。それらの指標の中でもし株価が大きく下がってしまった企業があれば、それまで入っていなかった別の企業が指標に入る仕組みになっているのです。

つまり、そういった指標は世界中の上場企業が全て同時に無くならない限り、資産価値がなくなることはありえないのです。(でも世界がそんな事態に陥る状況ってどんな状況でしょうか?サイヤ人襲来とか?)

人類は二度の世界大戦やブラックマンデーなどの出来事を経験しました。が、さきほど載せた”MSCI world”のグラフを見直してもらえばわかる通り、世界経済は長いスパンで見ればいつだって右肩上がりの成長を続けてきました。

上述の水瀬さんの言葉を借りると、”人が幸せを願う限りどんな壁があっても成長は続いていく、それが資本主義経済というもの”なのです。私は資本主義の強さを信じることにしました。

最後に:このブログで私の資産運用の記録を今後書いていきたい

今日の記事では、

  • 海外移住者の視点でインデックス投資をする理由
  • インデックス投資とは何か
  • インデックス投資って危なくないのか

だけに話を絞り、

  • 日本以外の国に住みながら、どこで証券口座を開くか
  • どのインデックスファンドを買うか

までは書きませんでした。(話が長くなりすぎてしまうので)

が、これら2つについては今後このブログで書いていく予定です。なんせ日本で売っている資産運用の本は日本に住んでいる人向けに書かれたものなので、この2点に関する情報は見つけにくいですから。己を実験台にして、どこの証券会社やファンドがお勧めかを他の海外移住者にお伝えしていく所存です。

そういうわけで、「海外移住に興味があるけど老後の資産どうしよう?」と不安な方はまたこのブログにアクセスしてみてください。あと、身近に海外移住に興味がある人がいたら、是非この記事のURLを送りつけてやってください。

すごく長い記事になってしまったので、今日はこの辺で。

おまけ:

「インデックス投資とは何たるか…」と偉そうに語ってきた私ではありますが、所詮は1か月前に証券口座を開いたばかりの投資ルーキーであります。ここまでこの話を読んでくれた人の中で「そんな初心者の言うことなんて参考になるかよ」と思っている人もいるでしょう。

そこで、今日の話を書くのに参考にした(そして資産運用を始めるのに参考にした)書籍を紹介します。

 

15年間インデックス投資を実践し、サラリーマンをする傍らで資産運用ノウハウをブログで発信してきた水瀬ケンイチさんによるインデックス入門書。本記事の「インデックス投資とは何か」の項の大部分はこの本の中身を参考にして書きました。

  • インデックス投資は手間がかからない
  • インデックス投資は低コスト
  • インデックス投資は金持ちじゃなくても始められる(し、続けられる)

といった点が参考になります。

 

中国の貧困層に生まれた著者は幼少期に家族と共にカナダへ移住しました。彼女は「貧しい暮らしはもう送りたくない」と猛勉強して名門大学でコンピューターサイエンスの学士を取り、ソフトウェアエンジニアの職を得て夢の中流階級生活を手に入れます。その傍ら、交際相手(後の夫)とインデックス投資を始め、夫婦ともに30代前半でリタイアすることに成功しました。

そんな彼女の貧困層から億万長者への道のりが、

  • 他人にも再現できる形で
  • 数字的な根拠を示しつつ
  • ユーモアを織り交ぜながら

綴られたのが本書です。

この書籍ではインデックス投資の実践方法に加えて、節約のコツや学校・職業の選び方など、有益で尚且つ庶民向けな情報が手に入ります。

それに加えて著者の生い立ちからリタイアまでの人生が劇的でもあり、彼女の成り上がりっぷりには読んでいて少々感動させてもらいました。そういった娯楽的要素もある書籍ですので、もうすでにリタイアしたお金持ちにもお勧めできます。

(追記:Quit like a millionaireにはどうやら日本語版が出ているようです。邦題:FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド

 

 

この書籍は過去の記事でも紹介したことがあるんですが、本記事でも再度紹介します。

海外を転々とする人生は傍から見れば楽しそうな反面、居住国を変えるとそれまで積み立ててきた年金制度は続けられない。そんな問題に著者は「オフショア証券会社で証券口座を作り、そこからインデックス投資をするのだ」という解決策を提示します。

この本の素晴らしい所は海外移住者向けにお勧めの証券会社、ファンド、そしてアドバイザーを紹介している点です。私もこの本を参考にしてInteractive Brokersで口座を開設し、MSCI WorldのETFを買いました。日本にもこういった情報を発信してくれる人がいればいいんですけどね。(…俺がすればいいのかな?)

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