ポーランドでの生活

ポーランドに住むのが辛いと感じる瞬間3つ

「ヨーロッパに住んでみたいな。それも、日本人があまりいなそうな所」

と、なんとなく思っていた頃に某企業のポーランド支社からのオファーを受け、半分ノリでオーストラリアからポーランドに住み始めて9ヶ月ほど経った今、少し悩んでます。ポーランドにいつまで住もうかと。

前回の記事で「転職活動に没頭していた時期があった」と話しましたが、理由はその頃「ポーランドでの暮らしが少し辛いな」「ここにずっと住むのはたぶん無理だな」と感じるようになっていたからです。で、今日はその理由について話します。

(ポーランドが好きな日本人、あるいは日本語が読めるポーランド人の方がこの話を読んだら多少不愉快になるかも知れません。この話の内容が気に入らなかったらご自由にブラウザの『戻る』を押してください)

落書きされた古いアパートに囲まれると憂鬱になる

これはポーランドに限った話ではなく他の東欧諸国にも言えることなんですが、ポーランドにはソビエト式の古くて無機質なアパートが多く存在します。

ひどく錆び付いたベランダと郵便受け、剥げた塗装の上から落書きされた鉄の扉、元の色がわからないくらいくすんでしまった壁面、そんな建物が何件も建っている地域を歩いていると何とも言えない空気の重苦しさを感じます。

ら落書きされたアパートのイメージ(これはフリー画像サイトで見つけた画像です。ポーランドにある建物とは限りません)

 

「ポーランド 旅行」みたいな語句でネット検索してみてください。旅行ブロガー達が、ポーランドの美しい旧市街を余すところなくあなたのPCに映してくれるでしょう。そういった旅行ブログを読んでいると、「へー、ポーランドってこんなに綺麗なところなのか」と多くの人が感じるのではないでしょうか。

旅行ブロガー達は嘘はついていません。その一方、彼ら彼女らがあなたに話さないことが1つあります。それはポーランドの美しい旧市街は実はとても狭いということです。

例えば観光地として有名なクラクフの旧市街も、半日あれば充分見てまわれる大きさです。そして旧市街やオフィスが軒を連ねている地区から出てしばらく歩くと、ソビエト仕込みのブロックをしばしばお目にかかることができます。

「住めば都」という言葉がありますが、私は9か月ほどここに住み、そういった落書きされた古アパートの周りを歩くことにまだ抵抗を感じます。

(ポーランド人の名誉の為に言っておきますが、国民全員がそういった古アパートに住んでいる訳ではありません。主要都市では近代的なアパートも多くありますし、私が住んでいる町にもアパートの開発が進んでいる地区があります)

冬になると空気がほこりっぽくなる

ポーランドに来るまで知らなかったのですが、ポーランドは冬の間ヨーロッパで一番大気が汚染されている国なのです。理由は冬になると石炭を燃やすことで暖を取る家庭がまだ存在するからだそうで。石炭ならまだマシな方で、中には(燃やしちゃいけない)プラスチックを燃やしている家もあるんだとか。

この動画に出て来る町のレベルには達してませんが、私が住んでいる町でも冬場はなんとなく空気が埃っぽくなります。

ポーランドは日本やフランスのような原発国ではなく、電力で建物を暖めようとすると電気代が比較的高くついてしまうそうで、その為に石炭を燃やしている家庭がまだ存在するんだとか。

子供の頃から私は結構鼻詰まりしやすく、薬を処方してもらうために9か月の間に3回お医者さんの元を訪れました。(オーストラリアには計6年近く住んでましたが、鼻詰りが原因でお医者さんにお世話になったのは1度だけ)

水道水を安心して飲めない

今のアパートを見つけたあと、大家さんに「ところで、キッチンの水道水はそのまま飲んでも大丈夫なの?」と尋ねたところ、こんな答えが返ってきました。

「やめたほうがいい。このアパートに限った話じゃなくてポーランド全体で言えることなんだけど、水道水は100%安心して飲めないんだ。」

大家さん曰く、ポーランドには水道水を飲まない方がいい地域がまだあるのだそうです。

ただし…

「普通に家で水道水飲んでるよ」「キッチンから出る水の水質を検査してもらったけど、大丈夫だったよ」

と話す人に会ったこともあります。なのでもしかしたらポーランドの水道水は一部の人(私の大家etc)が想像している以上にきれいなのかもしれません…が、私は念のため家では市販のペットボトルに入った水を飲んでます。

これを読んでる人に「ポーランド=貧しい」みたいな印象は与えたくないのですが、水を飲むためにわざわざスーパーやコンビニで水を買わなければならないという事実に直面し、「あぁ、俺は今住んでいる国は貧しい国なんだ」と感じずにはいられませんでした。

 

最後に

ポーランドには好きなところもありますし、一応友達もできました。が、もし誰かが「ポーランドは好き?ずっと住みたい?」と尋ねてきて「ポーランド最高!ずっと住みたい!」と答えてしまったら嘘になってしまいます。

「1年くらいならいいけど、何十年もここに住みつづけるのは自分には難しいな」…というのが、ポーランドでの生活に対する自分の正直な感想です。

POSTED COMMENT

  1. いくら より:

    高橋さん、こんにちは。オーストラリアで暮らしていた頃と比べるとどちらが良いですか??ポーランドはヨーロッパも近くて色んなところに旅行出来たりする利点があると思いますが。。仕事が結構忙しく週末に出かけられたりしていないのかななんて思ったんですが。もし時間が戻るとしたらオーストラリアに残りますか?へんな質問ですが、、、教えていただけると嬉しいです。私はオーストラリアから出たいとずっと言いつつ実行に移すのが怖くて高橋さんのように行動出来ていません。。

    • 高橋 より:

      いくらさん、こんにちは。

      >オーストラリアで暮らしていた頃と比べるとどちらが良いですか??
      全体的に、今の方が良いです。最大の理由は経済的にゆとりができたからです。
      前にも少しだけ書いたのですが、現在(現地の水準では)結構いい給料を頂いています。私の年収はオーストラリア時代と比べると100万くらい下がりました…が、それでも毎月の生活費を支払った後に手元に残る金額はオーストラリア時代とほぼ同じです。
      (オーストラリア時代はシェアハウス暮しで外食もあまりしませんでしたが、今は街の中心の近くにシングルルームを借りれて、外食も週に2回くらいしてます)

      >もし時間が戻るとしたらオーストラリアに残りますか?
      多分残らないのではないかなぁと。
      私がオーストラリアへ行った目的は(1)英語を覚えて(2)手に職をつけて(3)海外で(できたら英語圏で)職歴を積むことでした。それらを果たした後、オーストラリア以外で良いキャリアの選択肢を見つけられたら、別の国へ行ってもいいかな…と思っていましたから。(永住権を取ろうとしていた時期もありましたが、それの主な目的は転職の為でした)

      • いくら より:

        なるほど…ありがとうございます。私は失敗するのが怖くて何も行動できてなくてほんとだめですね。やはり目的に応じて国選びをしたほうが良いですね。私もヨーロッパへ行きたいのでまずは手に職をつけて職歴をつけようって思いました。ありがとうございます。

        • 高橋 より:

          >私は失敗するのが怖くて何も行動できてなくてほんとだめですね。
          私はいくらさんがどうやってオーストラリアに住み始めたのか知りませんが、もし自力でオーストラリアで留学なり就職なりされてたのなら、もうあなたは充分勇気も行動力もある方だと思います。
          悔いの無い決断ができるよう応援してます。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください