キャリア

オーストラリアの大学院留学の学費、あなたに見合うでしょうか?

今日の記事では、オーストラリアへ大学院留学を考えている人、そして海外の大学院へ行くことに興味があるけど渡航先がまだ決まらない人に向けて、オーストラリアの大学院で修士を取った経験(注:学歴ロンダリングです)を元に、オーストラリアの修士を取ったのはそのコストに見合ったかどうかを100%本音でお話しします。

「オーストラリアの学費は高い」と私はこのブログで何度か発言しました。あなたが留学することで達成したい目的に対して、その学費は見合っているでしょうか?

私の専攻はITでしたので、主にこの記事の対象となるのは同じくITの修士、あるいはそれと似た専攻について興味がある人です。

全部読むのが面倒な人のために要約すると、以下のような感じです。

  • 修士課程の内容自体に学費に見合う価値があったとは思わない
  • オーストラリアの大学院を出て最も良かったと感じたことは、現地で就労ビザを貰えたこと
  • オーストラリアの大学院は勧められるのは、オーストラリアという国自体に憧れている人、お金に困っていない人、これから永住権を取るつもりの人、もう永住権を持っている人

修士課程の内容自体に、学費に見合った価値があったとは思わない

答えから言うと、個人的には、オーストラリアで通った大学院にその費用に見合った価値があったとはあまり感じません。

(誤解されたくないので言っておきますが、『オーストラリアで大学院に通うのは無価値』とかそういう意味ではありません。『費用対効果が良くない』という意味です。)

繰り返しますが、ここでお話しするのは私個人の感想です。「自分はもうオーストラリアで修士を取る予定なんだ!不愉快な事言うな!」と思っていらっしゃる方はブラウザの戻るボタンを押してくださって結構です。

理由は以下の通りです。

理由1:非英語圏にはオーストラリアよりもずっと安くて、英語で行われていて、国際的に認知されている修士課程が存在するから

理由の一つ目は、似たような内容の修士を非英語圏に行けばずっと安価で手に入れられたかもしれないからです。

過去の記事でも少しだけ書いたことがあるのですが、非英語圏には学費がほぼゼロでしかも英語で講義を受けれる大学院が存在するのです。

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一番わかりやすい例はおそらくドイツだと思います。私立大学は別ですが、ドイツには学費がほぼ無料の大学院が多く存在します。納税者が学費を肩代わりしてくれているのです。(あくまで現時点での話です。5年〜10年経ったらどうなっているかは知りません。)

例えば、理工系の分野で有名なミュンヘン工科大学では…

Whether you are commencing or continuing your studies at the TUM, you must pay your semester fees in the amount of 129,40 (from SoSe 18) euros within the designated period before the start of each semester.

学期が始まる前に払わなければならない費用は129.40euroのみとなっているようです。そして、こういった学費が格安なドイツの大学院の中には、QSといった世界大学ランキングに入っている大学が多く存在します。

このブログを初めの方から読んでくださってくれている方はもう飽きたかもしれませんが、オーストラリアの大学/大学院の学費は年間で200万円以上する所がほとんどです。

日本で働いていた頃と比べると私は今の自分のキャリアに満足していますし、それはオーストラリアでITの修士を取ったことで実現できたと思っています。しかし、非英語圏に行けば似たような修士をずっと格安で手に入れられたのでは?と考えると、やはり

「オーストラリアの修士って(他国のそれと比べると)値段が釣り上げられすぎではないか?」

「本当にあれだけ払う必要ってあったのか?」

と疑問を感じずにはいられません。私は学費の工面のために何年も節約して生活してきましたので。

上記の記事の繰り返しになりますが、ヨーロッパに存在する大学院のコース内容や学費をまとめて調べたい方は、Study Portal Mastersこちらのページをチェックしてみてください。

そういった理由で、あなたがどうしてもオーストラリアという国に強いこだわりがあったり、お金に困ってなかったりする場合は別ですが、「大学院レベルでITの勉強をできるなら別にどこでもいい」あるいは「先進国で留学できるなら別にどこでもいい」とお考えなら、私は多分オーストラリアは勧めません。

理由2:永住権申請前にオーストラリアを離れたから

次の理由が、永住権の申請をする前に出国したからです。

「修士を取るのと永住権を取るのと何の関係があるの?」と思っている方に説明をすると、オーストラリアには技術独立ビザ(Skilled Independent visa – subclass 189)と呼ばれるポイント制で申請できるビザがあります。オーストラリア人か永住権保持者と結婚するケースを除くと、このビザを申請するのはおそらく最も一般的な永住方法です。

このビザのポイントは主に英語力、学歴、職歴、年齢で決まります。現在、申請に必要なのは合計で65点で、オーストラリアで学士・修士・博士のどれかを取ると5点が手に入るのです。

(最新の情報は政府のウェブサイトで確認しましょう)

「たったの5点?」と思っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、5点は全然小さい数字ではありません。実際、私ももうあと5点あれば永住権を申請できましたし(注:その頃のルールでは)、留学生時代の級友で似たような境遇の人たちは多くいました。

「何が何でもオーストラリアに永住したい」と思っている人にとっては、この5点の為にオーストラリアの大学院(大学でもいいですけど)に通うのはアリでしょう。が、私は結局永住権を取る代わりに別の国で転職するという道を選んでしまいました。

もし私の目的がオーストラリアへの移住でしたらこの大学院からの5点の恩恵は非常に大きかったでしょうし、無事に永住権を取れたら「大金払って大学院を出た甲斐があったわ!」みたいな事を多分考えていたでしょう。

オーストラリアの大学院を出て最も良かったと感じた点:就労ビザ

「費用に見合った価値がなかった?じゃあオーストラリアの修士はぼったくりなのか?」というと、別にそんなことはないと思います。なぜなら卒業後にちゃんと現地で就職するという目的を果たせましたし、そしてなによりも就労ビザを貰えたからです。

過去の記事でも書きましたが、オーストラリアで学士や修士を取ると「卒業ビザ」なる労働ビザが取得できます。

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『就労ビザがもらえる事ってそんなに大事なの?』って?

そりゃ就労ビザがなければ、あなたがどんなに優秀な人材でも雇ってもらえませんし、自力で就労ビザを取れないのならスポンサーを見つけなければなりませんからね。そしてスポンサーが就労ビザ出す際には『年収を___ドル出せる人限定』とか『○○といった仕事をしている人限定』とか、特定の人間にしか出せないのです。少なくともオーストラリアではそうでしたし、たぶん他の先進国にも似たような制限があるんじゃないかと思います。

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話は少し逸れますが、私はこの卒業ビザは今後も無くならないと思います。なぜなら留学生はオーストラリアという国にとっての経済的な柱だからです。

上の表はWikipediaから引っ張ってきました。この調査が行われた2016年の時点では、教育はオーストラリアにおける輸出品目の第4位(2,200億豪ドル=2兆円以上)でだったそうです。

オーストラリアの経済が留学生に依存している以上、政府が卒業ビザの条件を悪くすることは考えにくいです。なので、今後もこの…

  1. 修士(それか学士)を取り
  2. 卒業ビザを申請し
  3. 現地で職歴を積む

という流れは、オーストラリアで働きたい/移住したい人にとっての手堅い戦略であり続けると予想します。

個人的にオーストラリアの大学院を勧められる人

以上の経験を踏まえて、数ある国からオーストラリアを選び、修士を取りに行くことを個人的に勧められるのは以下のような方々です。

  • オーストラリアという国自体に憧れている人
  • お金に困っていない人
  • これから永住権を取るつもりの人
  • もう永住権を持っている人

最後の「もう永住権を持っている人」を見て「なんで?」と疑問を持った方がいらっしゃるかもしれませんが、永住権の保持者は留学生よりも学費が低くなるのです。これは大学院のみでなく、TAFE(州立の専門学校)や大学にも当てはまります。

学費の変化は学校によりけりですが、私がこれまで見てきた範囲では、永住権があると学費が留学生の学費の6〜7割程度まで下がります。羨ましい…

まとめ

「オーストラリアで取った修士、学費に見合う価値はあったか?」

という問いに対し、私の答えは

「修士を取れた後に就労ビザが取れて、現地で就職出来たのは良かった。でも永住権を申請しなった自分にとってはちょっと高すぎる買い物だった。非英語圏へ行くのもありだったかも。」

…という感じです。

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