オーストラリアで働く

リストラされやすい社会で働くという事

ふとしたことがきっかけで、50代で会社からクビになった人のブログが目に止まりました。要約すると次のような感じの内容でした。

  1. 30年近く勤めた会社からリストラされてしまった
  2. 厳しい転職市場を目の当たりにし、「若い連中ですら就職に困っているのに、俺なんか拾ってくれる所あるのか?」と絶望する(このブログが書かれた頃は景気が良くなかったらしい)
  3. 「娘は大学受験生。進学を諦めてもらうしかないのか?」と焦る
  4. 必死に就活する
  5. めでたく再就職先が見つかる

私は30年もサラリーマンをした経験はありませんし、まだ独身ですので「家族を養わなくては」といった重圧もなく生きています。が、このお話にはかなり感情移入してしまいた。オーストラリアでは日本よりも解雇規制が緩いので、「将来は他人事ではないかも」、と。

リストラされやすい社会で生きていくということ

日本では解雇規制が強固であり、一度正社員になれば非正規雇用の社員より先に解雇されることはないと言われております。つまり、そこ以外でサラリーマンをするという道を選べば、当然クビにされるリスクも上がるということです。

「私もオーストラリアで働きたいですよ、日本だと残業が多くて有給とれなさそうだから」

そう話す日本人留学生・ワーホリに、私はこれまで何度か会いました。そういう人に会ってもいちいち言わないのですが、この国で生きていくということは「リストラに合いやすい」というリスクを受け入れなくてはならないわけです。そして、リストラに合いやすい環境で働くということは…

  • 就職市場で求められる技能を日頃身に付けていく
  • 人脈を広げる

といった努力が日頃から求められる、という環境で生きていくことなのです。

キャリアに対して能動的になる

いきなり暗い話をしてしまいましたが、リストラに合いやすいということにはメリットもあります。

正社員といえどもリストラに合う可能性があると自覚していると、リストラに合わない為の対策、そして合ってしまった後の対策を自発的に取るようになります。「君はクビだ」と言われて嬉しい人はいないでしょう。その為、上述のように…

  • リストラに合わないために、新しい技能の習得に励む
  • リストラに合ってもすぐに次の仕事を見つけられるよう、人脈作りに励む

…といった活動を日頃から行うようになります。クビになりにくい環境で働いていると、こういった努力をする気になれないのではないのでしょうか。だって最低限のことをしていれば一応生きていけるのですから。

新しいことに挑戦しやすい

リストラに合いやすい社会で働くということは、その社会では人材が流動的であるという事でもあります。そのため、一度リストラされてしまっても、「これまで興味が合ったけど勉強する暇がなかったこと」を学び、これまでとは違うキャリアを見つけるといったことも比較的容易です。

同様に、時代の流れの沿った新しい仕事に挑戦することも容易になります。例えば、モバイルアプリの開発者は(オーストラリア国内に限らず)IT産業全体の中でも特に賃金が高い仕事の1つです。言うまでもなく、これはスマホ・タブレットが存在しなかった時代には存在しなかった職業です。キャリアを変えるのが簡単な社会では、こういった「新しくて、収入面で旨味のある仕事」に挑戦するのも容易なのではないでしょうか。

個人的には、これは労働者にとって非常に大きなメリットだと思っています。「どんな技能を覚えれば稼げるか」は時代と共に変わるのですから。

今の職場が気に入らなければ気軽に辞めれる

職場が嫌いになることのきっかけってなんでしょうか?殆どの人にとって、おそらく次のどれかだと思います。

  • 同僚・上司・顧客との人間関係がうまくいっていない(偉い人からあからさまなパワハラ・セクハラを受けている場合を含む)
  • 労働時間が長すぎる
  • 待遇に不満
  • (つまらない・新しい技能が身に付かない等の理由で)仕事内容に不満

理由がなんであれ、もしあなたが次の職場を見つけやすい社会にいるのなら、コネを広げる、あるいは新たな技能を身につけるなどして辞めればいいだけの話です。

最後に

ここまでリストラされやすい環境で働くことのメリットを挙げてきましたが、ここまで読んでくれた方の中には次のようなことを考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「お前は実際にリストラされたこと無いからそんな呑気なことばかり言ってられるんだ。正社員として実際にクビにされるとどんなに辛いのかわかるか?」

わかりません。

オーストラリアに来て初めの約半年、私はワーホリビザで生活していました。その頃、Nandosでのバイトが見つかったのですが、同僚達とのコミュニケーションが取れないために仕事についていけず、2週間でクビになったのです。現時点では私にとってそれが唯一の「職場からクビになった経験」です。

これはもちろん辛い経験でした。しかし、私はそこで同僚たちと何年も苦楽を共にしたわけでもなかったですし、職場に自分の存在意義を求めていたわけでもありません。(一生懸命やりはしましたが。)正社員として何年も働いたところからクビになってしまったら、「多分バイト先からクビになる以上に辛いんだろな」と、なんとなく想像することはできます…が、今の私には具体的にはわかりません。

それでも、日本を離れて働く以上、「リストラにはメリットもある」と認識しながら生きていく方が精神的に楽なんじゃないかな、という気がしています。

要約

  • 日本以外で働きたければ、リストラに合いやすいリスクを受け入れなくてはならない
  • でも、解雇規制が緩いおかげで危機感を持って働ける
  • そして解雇規制が緩いおかげで新しいことにチャレンジしやすい

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