オーストラリアで働く

オーストラリアでITエンジニアとして働くという事

オーストラリアで大学院を卒業し、プログラマー(正確にはWebディベロッパー)として働き始めてもうすぐ3年が経ちます。日本との労働環境の違い・求人の数や種類・ビザの取りやすさ・外国人の技術者の数等について話していきます。

年齢はそれほど重視されない

日本の大学に通っていた頃、私は新卒でSEになるつもりでした。が、IT業界で働いたことのある父親からの

プログラマーなんて肉体労働みたいなもんだし、35歳で実質定年になってしまう

という強烈な反対を受けた結果、SEになるのを考え直したのです。今から10年くらい前の話です。

私は日本のIT業界で働いたことがないので、この発言がどれほど正しいのかは知りません。

一つ自信を持って言えるのが、実績・実力さえあれば、オーストラリアではそれほど年齢は重視されないということです。

例えば、私の職場には経歴15年以上・40間際のプログラマーが二人(中国人・シンガポール人)います。「もう俺達実質定年だよ…」みたいな発言を彼らの口から聞いたことは一度もありませんし、二人共私の職場の(実質上)リードエンジニアとしてバリバリ働いています

エンジニアになった時点での年齢ですと、私が知っている範囲では35歳からソフトウェアエンジニアになったベトナム人が最年長です。

学歴よりも職歴・経歴

今の職場が見つかる前、私にはクイーンズランド大学(オーストラリアでトップ5に入るであろう名門大学)でコンピュータ・サイエンスを専攻しているオーストラリア人の友人がいました。

そんなにありがたい学校に通っているんだから就職なんて簡単だろう…と思っていたのですが、会うたびに「中々面接まで行けないよ」と言っていたのを覚えています。

前回の記事で書いたとおり私は就活に2〜3ヶ月かかったのですが、結局彼の場合も同じでした。

その一方で、ITの職歴がすでにある場合、職探しの難易度はグッと下がります。LinkedInにまともなプロフィールを載せておくだけで、頻繁にリクルーターからスカウトのメールを貰えるようになります。(LinkedInは転職に使えるSNSです。詳しくは以下の記事をどうぞ。)

LinkedInで海外の求人を見つける方法以前、私はオーストラリアのみならず海外の求人を探すのに便利なSNSであるLinkedInを紹介しました。 先日、私は同サイトを使い、ポーランドの転職先を見つけました。今日の記事では、同サイトの使い方、そして外国の企業のITエンジニア・プログラマーのポジションを探すためのコツを紹介します。...

新卒向けのプログラマー・エンジニアの求人は比較的少ない

  • Graduate Web Developer
  • Graduate Software Engineer
  • Graduate Java Developer

学校を卒業したばかりの人の多くは、上記のように”Graduate”と名の付く求人に応募するのですが、そういった求人は比較的に少ないのです。

オーストラリアのIT技術者の求人は、

  • C# Developer with 2+years experience
  • iOS developer with at least 3 yeas experience

といったように、「最低でも◯年以上の実務経験必須」と謳っている求人が割合的に多いです。

前回の記事を読んでくださった方は覚えてもらってるかもしれませんが、一応IT未経験で現地就職できた例は存在します。あなたがIT未経験だからだといって現地就職を諦める必要はありません。

オーストラリア人のプログラマーはどこにいる?

「そうか、IT未経験だと応募できる求人が少ないのか」

と落胆された方もいらっしゃるかもしれません。が、それでもこの国ではプログラマーは人材不足であり、IT業界は外国人にとってチャンスをつかみやすい業界であることには変わりがありません

私の職場は小規模なベンチャー企業です。勤め先の建物には、いくつもの似たような規模の企業が部屋を借りあっています。つまり、似たような会社の技術者と給湯室やエレベーターの前でよく顔を合わせたりするのです。

ここで働き始めてすぐに気付いたのですが、そういった人達の中のオーストラリア人の割合がとても低いのです

こっちで知り合った(他社の)プログラマーの多くは中国人・韓国人・インド人と、その多くがアジア系の外国人です。

プログラマーはオーストラリアで不足しているからビザがとりやすい」みたいなことは以前から聞いていましたが、実際目の当たりにすると「こんなに労働者の割合が外国人に偏ってて良いのか?」と感じるほどです。

最後に

オーストラリアのIT業界は(少なくとも、エンジニアにとっては)年齢による障壁が低く、人材不足であるため日本人でも職歴を積めるチャンスがあります。

将来は海外で働いてみたい学生のあなた、あるいは海外でキャリアを変えてみたい社会人のあなた、選択肢の一つとして考えてみてください。私は不動産というITとは微塵も関係ない業界出身でアラサーからエンジニアになったわけですが、自分自身の決断には本当に感謝してます。

オーストラリア現地就職までにしたことのまとめ
オーストラリア現地就職までの道(不足している職種、就労ビザの取得方法、留学のヒント等)「オーストラリアで働きたいけど、何からどう始めればいいの?」と思っている人へ、オーストラリアで現地就職までに至った記録をまとめて見ました。 ビザの取り方、留学(TAFE/大学(院))の情報、お勧めの求人サイトなど、現役社会人・新卒関係なく、使えると思う情報を網羅しました。海外就職全般に興味がある方もどうぞ。...

POSTED COMMENT

  1. AKI より:

    こんにちは!有益な情報ありがとうございます。
    現在21歳で文系学部卒ですがちょうど高橋さんと同じようなキャリアを進もうと考えています。
    質問なのですが、Web developerとSoftware engineerの違いは何でしょうか?
    Web developerはSTSOLでSoftware engineerはMLTSSLだと思うのですがバックエンドやフロントエンドのWebエンジニアはどちらに属するのか疑問に思っています。

    • 高橋 より:

      AKIさん
      こんにちは!
      Web developerとSoftware engineerの違いですが、
      1)Software engineerとはソフトウェアを開発する人です。このソフトウェアはデスクトップ上のアプリ(フォトショップ等)、モバイルアプリ、そしてウェブ上のアプリ(Gmail等)が当てはまります。(組み込み機械のプログラミングをしている人もSoftware engineerに属するはずです。)
      2)Web developerとは、ウェブ上のアプリだけを作る人です。
      …なので、Web developerはSoftware engineerの一種ですね。

      (以上の説明はこのブログ(http://blog.thefirehoseproject.com/posts/software-engineer-vs-web-developer/)を参考にしました)

      >Web developerはSTSOLでSoftware engineerはMLTSSLだと思うのですがバックエンドやフロントエンドのWebエンジニアはどちらに属するのか疑問に思っています。

      私の(当時の)雇用主がビザを出してくれた際、私の会社での肩書きはWeb developerでした。しかし、彼は私を”Software and Application Programmer”(MLTSSL)としてスポンサーしてくれたのです。なので、結果論で言うと、Web developerでもSoftware and Application Programmerとしてビザのスポンサーシップを得ることは可能です。フロントエンドでもバックエンドでもWeb developerには変わりないので、Software and Application Programmerと同一視して差し支えないと思います。

  2. 丘の上のぽにょ より:

    はじめまして。
    凄く参考になり目から鱗!同じ悩みや経験をされて居る方がいる事に勝手に感動してしまいました。
    私も文系大学出身かつ仕事もITとは全く無関係です。ただ、長年のオーストラリアの永住権を取るという夢のため渡豪する予定なのですが、職業リストからエージェントに勧められたものはシェフ、土木関係、ソーシャルワーカーなどです。その中で興味があったのがITなのですが、その業界について右も左も分からないのはは飛び込む事への不安は計り知れません(金額が金額なため)
    実際、高橋さんも全く知識がない所からスタートされたとの事ですが、具体的な大学の授業や各セメスターカリキュラムなどの内容等を教えて下さい。
    また、ご苦労された話なども教えて頂けたら嬉しいです。

    • 高橋 より:

      丘の上のぽにょ さん

      こんにちは!
      参考になったと聞いてこちらもありがたいです。

      >具体的な大学の授業や各セメスターカリキュラムなどの内容等を教えて下さい。
      私はQLDのクイーンズランド工科大学というところのITの学部に通い、Software architectureを専攻しておりました。(現在は名称がComputer scienceになっています。)
      各セメスターのカリキュラムについては、こちらの記事にて書きましたので、よかったらご覧ください↓
      https://www.hiroki-t.com/what-it-was-like-studying-in-qut#i-9

      >ご苦労された話なども教えて頂けたら嬉しいです
      苦労した事といえば、留学費の工面ですかね…。おっしゃる通り、オーストラリアの大学は高額ですので。
      在学中に特にこれといって苦労したことは無いです。当時は勉強という行為が純粋に好きでした。

      留学の成功を願っております!

      • 丘の上のぽにょ より:

        大変返信が遅くなってしまいました。ごめんなさい。。。
        現在は、アデレードにあるフリンダース大学院を検討しています。。。
        大学院によっては、初心者をフォローしてくれている所もあれば、分からなければ置いていくスタンスもあると聞いています。
        またまた質問させてください。
        大学院の費用や生活費は現地でアルバイトなどをして工面されたのですか?(アルバイトをする余裕があるのか分からないですが。。。)
        それと、卒業後に仕事を探すのに苦労したとお聞きして危機感を感じたのですが、やっぱり未経験者で(しかもアデレードの地方)すと難しいんですね。
        中小企業から永住権ビザサポートって可能性としてはあるんでしょうか?

        色々聞いちゃって申し訳ないです。
        本当に参考になり、今後の進路を決める上で貴重な記事でした。

        • 高橋 より:

          > 大学院の費用や生活費は現地でアルバイトなどをして工面されたのですか?(アルバイトをする余裕があるのか分からないですが。。。)

          学費+生活費の大半は、日本で稼いで貯めたものです。
          アルバイトをしていた時期はありましたが、合計で半年程度の期間です。週2くらいで働いていたと記憶しています。

          アルバイトができるかどうかは、本人によりけりとしか言えないですね。
          当事、台湾人で元ソフトウェアエンジニアの友人がいました。
          IT出身なだけあり、彼女は課題が出てもすぐに解いて提出できるほど優秀だったので、学業をおろそかにせず頻繁にバイトをしていました。

          > それと、卒業後に仕事を探すのに苦労したとお聞きして危機感を感じたのですが、やっぱり未経験者で(しかもアデレードの地方)すと難しいんですね。

          アデレードの求人は少ないようですけど、あまり深く心配されなくてもいいかと思います。
          アデレードで仕事が見つからなければ、他の都市で就活されればよいので。
          私も就活していた頃はシドニーの企業にも応募してましたし、面接に呼ばれたこともありました。
          (そこの面接へ行く前にブリスベンで就職先が見つかりましたが)

          > 中小企業から永住権ビザサポートって可能性としてはあるんでしょうか?

          あります!永住権に会社の規模は関係ありません。
          (ただし永住権のルールは頻繁に変わるので、あくまで現時点での話だということをご了承下さい)

  3. 松村 より:

    高橋様

    初めまして。松村と申します。
    たくさんの有益な情報をブログにしてくださり、本当に、本当にありがとうございます。
    この度は、大変恐縮なのですが、メルボルンでの転職のための計画に関してご意見を頂戴したく、ご連絡をさせていただきました。

    まずは御礼をお伝えさせてください。
    メルボルンに移住することがここ数年間の一番の目標である私にとって、高橋さんのブログの記事が本当に助けになっています。
    例えば、年齢よりも技術力をより見てもらえることや外国人の技術者の数などについて詳しく知ることができ、大変有難いです。
    本当に、ありがとうございます。
    いつか立派なエンジニアになって、高橋さんのためになるようなお礼をさせていただけたら嬉しいです。(例えば、オーストラリアに行きたいエンジニアの方に紹介してアクセス数をたくさん伸ばせるようになるなどを考えています。)

    ご相談させていただきたい内容なのですが、
    海外移住のために取得する言語について、一つ迷っていることがあります。
    下記に、目標、お伺いしたいこと、現状、メルボルンでの求人数の多い言語、計画、の5つの項目ごとに分けて、詳しく記させていただきます。

    【目標】
    目標は、2年後(難しければ3年後)にオーストラリアのメルボルンに移住し、永住権を獲得することです。メルボルンはオーストラリア第二の都市で、大阪のようなところです。(家族との移住のため、地域はメルボルン限定になります。)

    【お伺いしたいこと】
    メルボルンでの求人数が多い言語が、Java、C言語なため、それらを実務レベルにしてから新しい言語を学ぼうと考えていますが、これは良い戦略でしょうか。それとも、新しい言語により注力して希少性を高めたほうが良いのでしょうか?
    現時点で、2つの方法を検討していますが、良い方法やご意見などがございましたら、賜れますと幸いに存じます。
    言語の後ろにある数字は求人数です。
    ①Java(419件)を高い実務レベルで習得し、Python(317件)、Scala(28件)、Kotlin(17件)など新しく需要が高まりそうな言語を学ぶ。
    ➁まずは職を得ることを第一目標に、Java(419件)とC言語(354件)を高い実務レベルで習得してから、Python(317件)、Scala(28件)、Kotlin(17件)など新しく需要が高まりそうな言語を学ぶ・
    【現状】
    昨年3月に大学を卒業し、この3月にライフプランを変更したため、4月から就活を始め、Javaをメインに使うプライム案件が9割の会社さんで働くことにしました。残業時間は少なく、一日5時間ほどを勉強に使うことができます。

    【メルボルンでの求人数の多い言語】
    SQL(437件)、Java(419件)、C++/C#(354件)、AWS(393件)、JavaScript(344件)、Azure(333件)、PHP(141件)
    オーストラリア No.1の求人サイト「seek」で「メルボルン/フルタイムまたは契約社員/IT技術職で検索した結果です。」

    【計画】
    1)Javaを習得する
    理由:メルボルンでの求人数は、Javaが最も多いため
    5月
    第1週|ProgateでJavaを理解・暗記する。
    第2週|ポートフォリオとしてAndroidのアプリを作る。
    第3週|ポートフォリオとしてAndroidのアプリを作る。
    第4週|SQL、コンピューターサイエンス、コマンドについて学ぶ
    6月~8月
    会社の研修でJavaを学ぶ
    それ以外の時間で、フリーランスとしてJavaでお仕事がもらえるように頑張る。
    9月以降
    上記で質問させていただいた言語を学びながら、ポートフォリオを作成する。
    3年以上の実務経験が求められる場合がほとんどなので、2年で3年分くらいのポートフォリオが作成できるようにする。

    お忙しい中、誠に申し訳ございません。
    海外移住を成功させて、様や社会に還元できるよう一生懸命頑張りますゆえ、お力をお貸しいただけますと幸いに存じます。

    松村

    • 高橋 より:

      松村さん

      こんにちは。

      まず断っておきたいのですが、私は採用担当者になったことはありません。なので以下の回答は素人の与太話程度に解釈してください。

      >メルボルンでの求人数が多い言語が、Java、C言語なため、それらを実務レベルにしてから新しい言語を学ぼうと考えていますが、これは良い戦略でしょうか。
      >それとも、新しい言語により注力して希少性を高めたほうが良いのでしょうか?

      Javaを実務で使えるまで覚えていくのは良い戦略だと思います。Javaは求人数が多いのに加えて、大きな会社から好まれて使われる傾向があります。そして、それなりに金銭的に余裕のある大きな会社でない限り、普通はビザを出してまでして外国人を雇おうとはしないのではと思います。なので、目標達成(移住→永住権獲得)の足掛かりの為にJavaを習得するのはアリなんじゃないかと。
      それに「Javaをメインに使うプライム案件が9割の会社」で働くとのことなので、もうすでにJavaを習得するのに良い環境にいるのでは?という気がします。Javaは決して楽な言語ではありません(少なくとも、私にとっては)。が、せっかくなので今の環境でJavaを使った開発経験を積ませてもらってはどうでしょうか。

      ただ、私はウェブ開発しかしたことがないので、Javaが現在Androidの主流なのかどうか私にはわかりませんし、「Kotlinが今後主流になるのでは」という話もたまに聞きます。それでも、ソフトウェアエンジニアを続けていけば、いずれは複数の言語を覚えていくことになるでしょう。なので、私が松村さんの立場に居たら、「Javaを使う職場にいる」という環境を利用し、とりあえずJavaの習得(そして英語の勉強)に集中します。(Kotlinはその後でもいいかなと)

      C言語を使った職場に入ったことが無いので、C言語については私からは何も言えません。

      【計画】を見る限り、最低でもあと2年は日本で働かれるようですので、それだけ経験を積んでおけば(経験無しで渡豪する場合と比べると)就職の難易度は下がるんじゃないかと思います。健闘を祈ります。

      PS
      本名がこの記事に出ない方が良いのでは…と思ったので、余計なお世話かもしれませんが勝手に下の名前だけ消しておきました。

  4. 松村 より:

    高橋さん

    お返事を頂き、ありがとうございます。
    お返事をお返しするのが遅くなってしまい、申し訳ございません。
    メールアドレスを間違えて入力してしまったためか通知が届かなかったようで、今拝見させていただきました。

    「Javaを使う会社が比較的大きい会社が多いためスポンサービザの取得に有利に働くかもしれない」ということや、Javaからkotlinに移行するタイミングなど、大変勉強になりました。

    ありがとうございました。

    名前の面もご配慮いただきありがとうございます。

    松村

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