留学準備

【留学体験談】クイーンズランド工科大学のITの修士課程はこんな感じでした

クイーンズランド工科大学(QUT)

オーストラリアの大学・大学院で情報工学の勉強をしたいあなたへ、私の母校・クイーンズランド工科大学(Queensland University of Technology)での留学の記録をお話したいと思います。学校選びの参考になれば幸いです。(卒業に必要なのはプログラミングの技術力か、それとも英語力か?といったことについても書いていきます。)

大学の概要

クイーンズランド工科大学の正式名称はQueensland University of Technologyです。QUTと略されています。

キャンパス

クイーンズランド州のブリスベンに存在し、以下の3つのキャンパスが存在します。

  1. Gardens Point(街の中心に建っている、一番立派なキャンパスです。大学院生の多くはこのキャンパスに通ってました。)
  2. Kelvin Grove(山の中にあります。学生が多く住んでいる地区に存在します。前回の記事で触れた英語コースはこのキャンパスにありました。)
  3. Caboolture(街の中心から数十キロ離れた地区に存在します。ビジネス学部・教育学部の学部生が通っているらしいです…私は行ったことありませんが。)

評判

オーストラリアには偏差値みたいなものは存在しません。国内でのこの大学の評判は、体感ですが「上の下」それか「中の上」といったところだと思います。クイーンズランド州内ではGroup8の1つであるクイーンズランド大学が最も評判が良いです。この次のポジションをQUTとグリフィス大学が争っている感じです。

名前からして理工系の学校なのですが、理工系でない学部も人気があります。例えば、ビジネス学部は、Triple Accreditationと呼ばれる世界上位1%のビジネススクールに与えられない賞を取ったことがあるそうです。(一部のビジネス学部の人たちのはそれが誇らしそうでした。)また、看護学部も就職率がクイーンズランド州内で一番良いと聞いたことがあります。

ITの学部の評判は良い方だと思います。理由は後ほど。

ITの修士課程の概要

私が通っていた頃、修士課程の期間は1.5年か2年のどちらかを選ぶことができました。しかし、現在は2年で固定されているようです。そして、この課程に進む人は以下の専攻の中から一つを選ぶこととなります。(コースワークです。)

  1. Business Process Management
  2. Computer Science
  3. Data Science
  4. Enterprise Systems
  5. User Experience
  6. Information Management
  7. Networks
  8. Security

私の専攻はSoftware Architectureでしたが、シラバスを見る限り、どうやらComputer Scienceに変わったようです。

ほとんどの学生が各セメスターに4つの科目を取り、2年で合計16科目を履修することとなります。その16科目の内、4科目は講義なしで研究・開発をのみを行う科目になります。

公式サイトのリンクはこちら

入学条件

入学にはIELTSのAcademicで6.5を取ることと、大学を出ていること(どんな学部でもOK)でした。「今はどうなってるのかな」と思って、ホームページを見た所、

Academic entry requirements
A completed recognised bachelor degree in any discipline with a minimum grade point average (GPA) score of 4.0 (on QUT’s 7 point scale).

…だそうなので、やはりITとは無関係な学部出身者でも入れるみたいです。(ただし学部時代の成績が4/7以上に限る)

クラスメイトの国籍

修士課程に通う学生の国籍の割合は、体感ですけど、

  • インド人:3割
  • 中国人:3割
  • オーストラリア人:1割
  • それら以外の国から来た留学生:3割

…といった感じでした。

過去の記事にも書きましたが、(学部問わず)大学院は留学生の割合が非常に高いです

「英語のネイティブスピーカーに囲まれたい」「現地人の友達と交流したい」という方は、学校の外で頑張るか、TAFEを経て大学に通うことを検討されてはいかがでしょうか。

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無事に卒業するには、技術力よりも英語力

このブログを始めから読んでくださってくれている方はご存知かもしれませんが、私はここで勉強するまでITの経験はありませんでした。そして、QUTのITの修士課程は、IT未経験者にも門戸を開放しています。なぜなら、学部生と同じ科目を履修できるからです。(ただし大学院生だと採点基準が高くなります。)

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なので、入学時点では高度なプログラミングの技術力は必要とされません。無事に卒業するためには、英語を使う能力の方がずっと重要です。具体的に言うと…

  • 講義をちゃんと理解できる読解力・聴解力がある
  • 文法上の誤りがない、テーマに沿った首尾一貫したレポート・論文を書ける
  • 相手に伝わるプレゼンができる
  • 教授・チューター・グループワークの仲間たちと意思の疎通ができる

…といった能力です。

「でもこれってコースワークでしょ?コードがかけないと卒業できないんじゃないの?」

と思っている方、ご心配なく。コードを書く能力は講義とチュートリアルに出てちゃんと勉強すれば必ず身につきます

課題の種類

課題は以下のような形で出されました。

  • レポート
  • プレゼンテーション
  • プログラミングの課題(アプリの開発)

前回の記事でも少しだけ触れましたが、QUTの図書館にはレポートの書き方・プレゼンの仕方に自信がない学生に対して、無料でアドバイスを聞けるサービスが存在します。

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QUTの図書館の公式サイトのリンクはこちら

卒業後のキャリアについて

私は以前の記事で「ソフトウェア・Web開発と関連性の強い専攻を選んだ人は現地で開発者の仕事を見つけられた。その一方、あまり技術的ではない専攻を選んだ人達は母国へ帰っていった」と書きました。

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私と私の以前の級友の経験上断言しますが、Computer Science(私の頃はSoftware Architectureでしたが)を選んでおけば、留学生でも開発関係の分野なら仕事を見つけられる見込みが高いです。あなたがフロントエンドの開発に興味があるのでしたらUser Experienceを選んでも良いかもしれません。

その一方、(上記の記事の内容を繰り返すようで恐縮ですが、)技術的でない分野を選ぶと、英語力と人脈に欠ける留学生は現地で就職先を見つけるのが難しくなると思います。

また、学生時代に会った人たちの中には、修士を取ったあとに研究の道に進んだ人たちもいました。Networkingを専攻し、QUTの博士課程にすすんだマレーシア人、Securityを専攻しニューサウスウェールズ大学の博士課程に進んだオーストラリア人がいました。

履修した科目

私が履修した科目はこんな感じでした。

Year 1

Semester1

  • Database
  • Computer Games Studies
  • Security
  • Programming

上述の通り、私はここに来るまでIT未経験でした。なので、このセメスターでは学部生でも取れる科目だけを履修しました。 (ちなみに、Programmingは現在Programming Fundamentalsという名前になっているみたいです。)

Semester 2

  • Software Development with Oracle
  • Enterprise Software Architecture (SOAP・REST Web サービス、ソフトウェアコンポーネントの概念と設計、サービス指向アーキテクチャ等をカバーした科目でした)
  • PRINCE2(R) Project Management
  • Internationalisation of Software

このセメスターで履修した科目も(Internationalisation of Software以外)全て学部生でも履修できる科目でした。Enterprise Software Architectureの課題が非常に難しく、提出ギリギリまで粘っていたのを今でも覚えています。元iOSディベロッパーの台湾人、勤勉だけど非社交的なベトナム人、怠けているくせにいつも良い成績を出す優秀なインド人と過ごしたセメスターでした。

Summer

  • Minor projects

Minor Projectでは、夏季休暇中にも仕事をしている教授2人のもとで、2つのプロジェクトをこなしました。

  1. ひとつ目は、あるWebベースのデータストレージのセキュリティの強度を、ソフトウェアを作って測るということでした。前のセメスターで習ったSOAPとRESTが役に立ちました。このプロジェクトをこなすにはネットワークの知識が必要であり、ソフトウェアを作りながらネットワークについて独学で勉強しました。
  2. ふたつ目はJSPといった技術を使って劇場の予約システムを作るといったものでした。Web開発に詳しい方ならご存知かもしれませんが、JSPがかなり古い技術です。(当時の私はそれを知りませんでした。)なぜあの教授がそんな技術を選んだのかは謎です。

Year 2

Semester 1

  • Research Based Practice
  • Data Mining Technology and Applications
  • Data Structure and Algorithms

前年の夏季休暇中に2科目分の単位を取得したので、この年は各セメスターに3科目だけ取れば十分でした。Data Structure and Algorithmsがしんどかったのがセメスター1の思い出です。(でもこの科目で学んだことは今の仕事でとても役に立っています。)

Semester 2

  • Analysis of Programs
  • Advanced Research
  • Agile Software Development

Analysis of ProgramsではBig Oという概念について学びました。現在のComputer Science専攻では、この科目は必須になっているようです。Advanced ResearchではPHPを使って、ある教授の指示の下Webアプリの開発を行いました。(ここでPHPを習ったことで、私は今の仕事が手に入りました。)Agile Software Developmentでは5人1組でアジャイルの手法を使いながらAndroidアプリの開発を行いました。

QUTの情報工学(IT)の修士課程の良いと思う点

この学校のITの修士課程が良いと思う点、それはインターンシップの選択肢が豊富だということです。(ちなみに、上述の「私がこの学校の修士は評判が良いと思っている理由」がこれです。)

長期休暇・あるいは卒業後すぐに、大学(院)生はインターンに申し込めるのですが、QUTはインターンシップ先が豊富です。他の大学で学士をとってQUTの修士に来たとある留学生が言うには、「QUTの方がインターンシップの受け入れ先が多い」とのことでした。その中には大手銀行の一つからの有給のインターンもありました。

最後に

海外の大学院ってどんな感じなんだろう…と思っている方、少しはイメージが湧きましたか?もしコメント欄で質問を頂ければ、思い出せる範囲で追記していこうと思います!

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