海外生活全般

ワークライフバランスを求めて海外へ出たのに、仕事の事ばかり考えてる自分に気が付いた

来年の抱負について書きます。私の来年の抱負とは

  • 仕事に関する勉強(IT、プログラミング)はほどほどにする
  • 財布のヒモを緩める
  • アウトドアで楽しめる活動を見つける

です。

今の俺の生きがいって何だ

憂鬱…というほどではないんですが、ここ数週間くらいずっと気持ちが沈んでいました。思い当たる理由を挙げると。

理由1:彼女や親しい友達ができない

ポーランドに住んでいた頃、ベラルーシ人の彼女がいたことがあった。が、転職活動に没頭して連絡を取らないでいたら関係が途切れたのだ(←ちなみにこの時の話は以前ブログで書いたことがあります。振り返るのが恥ずかしいのでリンクは貼りません。おヒマでしたら探してみてください)。2019年の事だった。それ以降、彼女が出来たことはない。「社外で何かの活動に参加しないと出会いはない」と思ってスポーツクラブ等に入ったこともあったしマッチングアプリも試したこともあるけどどれも駄目。

今の自分は収入を増やす事、体を鍛える事、本を読むこと位にしか関心が無い。強いて何かほかに関心があることと言えば外国語を覚える事だ。そこで、新しい土地で人間関係を拡げるには外国語教室に通うのが一番合理的なんじゃないかという結論に至った。実際、ポーランドに居た時はポーランド教室で緩い友達が数人できた。

が、コロナの波がヨーロッパに押し寄せてからその教室もオンライン化し、結局そこでできた友人たちとも顔を合わせることはなくなった。エストニアに居た時はエストニア語教室やロシア語教室に入ってみようかと思ったけど、まだパンデミックが去ってなかったためオンラインの教室しかなかった。チェコに来てからは会社がチェコ語教室を紹介してくれるよと言ってくれたのでいざ参加してみたらオンラインの教室だったことが判明。「オフラインの教室が良かったんですが」と人事に伝えたら「それだと遠方からリモート勤務している人が参加できないから不公平になってしまう」とのことだった。(来月で今の学期が終わるので、再来月からはオフラインの教室を自分で見つけて入るつもりだ)

理由2:楽しみがない

日常で楽しい事と言えばYoutubeで音楽を聴いたりニュースを見たりスポーツの動画を見ることくらいである。自分は本を読んだり体を鍛える事も好きだけど、それらは習慣として続けているだけで気晴らしという意味ですることとは違う。

自分がそもそもオーストラリアからヨーロッパに来た理由は(1)オーストラリアだと転職するのが難しかったから(2)仕事以外にやることがなくなったから、そして(3)ヨーロッパに住んだ方が色んな国へ行きやすくて楽しそうだったからだ。が、ここ数年、この3つ目の動機(=色んな国へ旅行する)への関心が薄れつつあるのだ。観光地までわざわざいかなくてもネットで写真を見れるし、外国の食い物なんてレストランに行けば食えるし、と。それっぽっちの為に(日本円にして)何万円も払うって飛行機やホテルの予約をするのも金と時間の無駄にしか思えなくなってきてるのだ。

理由3:老後のお金に対する不安

エストニアに住んでいた頃は一生懸命節約すると月収の内1500€、ちょっと買い物や旅行を楽しむと1000€が余るような生活を送っていた。そしてその余った収入は全部インデックス(ETF)にして投資していたのだ。

日本を去ってから私は日本に年金を納めていない。海外移住して住民票を外すと年金は任意加入となるのだ。それはつまり老後の蓄えは自分でどうにかするしかないことだ。なので日頃から節約を心掛け、余った給料は全部インデックスに替えて資産運用してきている。

この時書いた通り、今の会社に来ることで自分の手取りのベース年収は日本円にして100万円以上増えるはずだった(転職決定時のレートです。今は当時よりも円安なので収入の増え幅は100万よりも大きいはず)。そしてネットで調べた限りでは去年の時点ではタリンとプラハの物価はほぼ同じくらいだった。なので「転職してプラハに移住すれば毎月1500€分のインデックスを買ってもまだお釣りがくるだろう」と期待してたのだ。

が、前回書いた通りヨーロッパはどこも物凄いインフレを経験しており、チェコはその中でも特にインフレの影響を受けている。結果、エストニアに住んでいた頃ほぼ同じくらいの金額しか投資できなくなってしまったのだ(まぁ住んでるアパートのグレードは少し上げたので、その分は自分のせいでもあるが)。

インフレ関連のニュースを見たり、スーパーでいつも買っている卵や牛乳が値上がりしているのを見ると「これいつ終わるんだよ…」と気が重くなってくる。いくら収入を上げてもインフレで相殺されるなら何度転職しても結果は同じだ。絵に描いたようなラットレースだ。

 

ある晩、床に就く前にこんな事を考えた。

「俺はこのまま親しい人が周りに一人もおらず、何の楽しみもなく、金のことを心配しつつ、ただ収入を上げる事だけを考えて生きていくんだろうか?」

「俺はどうしてこんな人生を選んできたんだっけ?」

「…あぁ、思い出した。俺はワークライフバランスが良い人生を送りたかったからだ。日本は労働者が有休を取りにくくて労働時間も長い国だとテレビやネットでさんざん見聞きしてきたんだ。だから別の国へ行けばマシなリーマン生活が送れるんじゃないかと思ったんだ。確かに日本以外の国で働けるようになってからワークライフバランスは格段に良くなった。でも今の俺の生きがいって何だ?定時で帰って、収入を上げるために勉強して、それを死ぬまで繰り返して終了か?」

まだ日本にいた頃やオーストラリアで学生だった頃は「海外で働けるようになる」という目標を達成することしか頭になかった。それを追いかけていれば孤独が辛いとか年金どうなるんだろうなんて微塵も思わなかった(まぁオーストラリアで学生だった頃はそこそこ友人関係には恵まれていたように記憶しているが)。特に期間工だった頃なんてマジで周りに一人も友達がいなかったし、給料だってほぼ全部留学費用の為に貯金しなければいけなかった。それでも当時は英語の勉強に没頭できることだけで十分幸せだったのだ。今の自分にはそういう目標が無いのだ。それだけを追いかけてれば他のことを全部忘れられるような目標が。

問題の根本的な理由=お金に対する不安

「俺はどうしてこんなに惨めな気持ちで生活してるんだろう?」

その原因についてある日じっくり考えてみた結果、自分はお金を失うことに対して必要以上に警戒しすぎだからじゃないのかという気がした。

金を使うのに抵抗がある。だから行動範囲が広がらない。結果、新しい人との出会いが無い。例えばエストニア時代を振り返ってみると、たとえオンラインでもエストニア語やロシア語教室に通ってみれば緩い繋がりができたかもしれない。でも金(と時間)が惜しくてそういった活動にも参加しなかった。

金を使うのに抵抗がある。だからまだ行ったことのない街や国を訪れる気にもならない。結果、好きだったはずの旅行という行為が金と時間の無駄に思えてきてしまったのだ。

金を使うのに抵抗がある。だから「もっといい給料の良い仕事を見つけないと」とか「自分でビジネスを持って収入を上げないと」といった感じで、いつの間にか働くことと稼ぐことしか考えてこなくなった。せっかくワークライフバランスの良い環境で生活できるようになったのにだ。

ここに来た理由を思い出すのだ。俺がヨーロッパに…それも、非英語圏で日本人があまりいなそうな国に来たのはなぜだったのか。俺は冒険をしたかったからだ。英語だけで生活できて、日本人がすでにたくさんいるところに住みたかったら、俺はずっとオーストラリアにいたはずだ。あるいは仕事だけが生きがいの人生を送りたいならとっくに日本に帰っていたはずだ。日本にある外資系のIT企業は(労働時間は長いかもしれんが)賃金は高いそうなので、そういう所に入れたら少なくとも経済的には満たされた人生を送れていただろうから。でも俺はどちらの選択肢も選ばなかった。

来年は時間と金をケチらずに暮らしたい

さて、ここで話を本題に戻します。来年は時間と金をケチらずに暮らしたい。具体的にどうすればいいかというと

1:毎月の貯蓄・投資額を今までよりも低めに設定したい。これまでは月に1500€投資できたら大成功、1000€投資するのが最低限の目標、それ未満だったら翌月は切り詰めて生活して必ず1000€以上投資する…というルールを己に課していました。が、来年は毎月の投資額の最高額を1000€までに下げたい。で、余ったお金で良い物を食べたり、まだ行ったことのない街・国を訪れるのに使いたい。

2:何かアウトドアで趣味と呼べる活動を見つけてそこに時間を使う。職業上、PCの前で毎日何時間も過ごす生活を送っているので、何か趣味を持つならPCもスマホも使わない、それも屋外でする活動が理想だ。先日meetup.comでプラハ市内をハイキングする会合があったので参加してきたんだが、参加者は皆フレンドリーで尚且つ(自分と同様)一人でプラハに移住してきた外国人ばかりだったので、話がかみ合って楽しかった。こういう機会を増やしたい。

3:プログラミングの勉強時間を減らす。その時間を上記2やチェコ語の勉強をするのに充てる。

…とまぁそんな感じです。自分はワークライフバランスを求めて日本から出たはずだったんですが、いつの間にかお金とキャリアの事しか考えなくなってしまっていました。結果、周りに一人も親しい人がなく、転職して収入を上げる以外に楽しみのない生活を送っていました。来年はそんな今の生活を見直す年にしたいです。皆さん、よいお年をお迎えください。

POSTED COMMENT

  1. MM より:

    いつもためになる記事を書いてくださりありがとうございます。

    私は今オーストラリアでITを勉強しているのですが、私も似たような(と言ったらレベルが違くて失礼かもですが)悩みを持っています。

    オーストラリアに来て永住権を取得することが目標で、高校生の頃からすべての時間を情報収集、英語の勉強、アルバイトに費やしてきました。

    現地で留学を始めてからも、勉強と生活費を稼ぐためのアルバイトに精一杯で、休日は疲れてなにもやる気が起きないという日々を送っています。

    留学してもう1年も経つのに、親しい友達は一人もいないし、心から楽しめる趣味もないです。

    卒業したら今度は会社で働いて、永住権を取るためだけにすべてを費やす生活をしてしまいそうです。

    元々私は、日本にいるときよりも幸せな生活を求めてオーストラリアに来たのに、人生の計画も何もなく世界を自由に旅している友達のほうが正解だったのではなどと考えてしまいます。

    永住権は欲しいけど、友達も趣味もない人生を送り続けるのは辛いだろうし、楽しむためではなく、生きるために生きてるみたいですよね。

    私も未来の可能性ばかりに期待をせず、もうちょっと今を楽しむ努力をしようと思いました。

    まずは週末に外に出て、新しいことを始める、人と会うなど仕事か勉強以外のことをしてみようと思います。

    長文失礼しました。これからも記事を楽しみにしてます!

    • 高橋 より:

      MMさん

      >永住権を取るためだけにすべてを費やす生活をしてしまいそうです。

      あぁ…すごくわかります。私もオーストラリアにいた最後の2年はそんな事をよく考えていました。とても共感できるコメントをありがとうございます。
      オーストラリアの永住権、取れるといいですね。気長にいきましょう。

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